ふしぎなつうがくろ
作:花里 真希 絵:石井 聖岳
「だって、このあたりは、ふしぎなことが よくおこりますから」春夏秋冬、一年生のひろとがつうがくろで出会う素敵で不思議な体験。
発売日 | 2020/07/16 |
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価格 | 定価:1,540円(本体1,400円) |
ISBN-13 | 9784065195048 |
判型 | 四六 |
ページ数 | 226ページ |
小学五年生のあおいは、父親の仕事の都合で、カナダに引っ越すことになった。
あおいには空想癖があり、ストレスを感じた時に空想すると、ストレスが緩和されるのだ。しかし、空想している様子が気持ち悪いと、クラスで浮いた存在になってしまった過去があるので、新天地のカナダでは、なるべく空想はしないで、普通にしていようと決めていた。ところが、カナダの普通は、日本の普通とは全く違う。学校は先住民の歴史を記念してみんなでオレンジを着る「オレンジシャツデー」やヒーローのコスプレをする「スーパーヒーローデー」など不思議な行事だらけで、あおいは戸惑うことばかり。隣の家に住むゲイカップルや、クラスメイトのアディソンの影響もあり、あおいは、普通でいようとする努力をやめることに・・・・・・。
九月最初の火曜日なのに、こんなに寒いなんてさすがはカナダだ。今にも雪がふり出しそうな白い空を見上げて、日本はまだ夏なんだろうなあと思った。うんざりしていた暑さが、なんだか恋しい。暑さが恋しいんじゃなくて、日本が恋しいのかな。あんなに居心地が悪かったのに、変なの。
空に向かって両手を広げて、全身に冷たい風を受けてみた。寒くて体がカチカチになる。冷とうイカになったみたい。本当にイカになれたらいいのになあ。そうしたら、カナダの学校なんかに行かなくていいもん。
「あおい。なにやってるの。早く車に乗りなさい」
お母さんが、カギをかけながら言った。
「あ、はーい」
こんなことやってたから、居心地が悪くなったんだった。ふつうにしてないと、ここでも居心地が悪くなっちゃう。──本文より。
作:花里 真希 絵:石井 聖岳
「だって、このあたりは、ふしぎなことが よくおこりますから」春夏秋冬、一年生のひろとがつうがくろで出会う素敵で不思議な体験。
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著:花里 真希
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