【魚好きキッズのプレゼントに!】“水族館”が100倍楽しくなる絵本3選[絵本の専門家が選出]

子どもの本のプロが選ぶギフト絵本 #20~水族館が楽しくなる絵本~ (4/4) 1ページ目に戻る

輝きを仲間とシェアできたらもっと幸せ

最後にご紹介するのは、大ベストセラーシリーズの第1巻『にじいろのさかな』(講談社)。1992年にスイスで生まれ、世界中で、そして、日本でも世代を超えて愛されている“魚”の絵本です。

『にじいろのさかな』(作:マーカス・フィスター、訳:谷川俊太郎/講談社)
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主人公は、きらきら輝くうろこを持った海で一番美しい魚「にじうお」。最初は自分の美しさに慢心し、ひとりぼっちになってしまうのですが、やがて自分の大切なうろこを仲間たちに1枚ずつ分けていきます。

これは単なる道徳的なお話ではなく、子どもが自分の体験として“シェアする喜び”を感じられるドラマ。絵本は子どもにとって、「こんなふうになれたらいいな」という自分の姿をシミュレーションできる場所でもあります。

子どもにこの絵本を読み聞かせるとやわらかな表情になるのは、にじうおのように「もっといい人になりたい」と願っているからではないでしょうか。

そして、読者の目を惹きつけてやまないのが、キラキラと光るホログラム。ページをめくるたびにうろこがキラッと輝き、光の当たり方や見る角度によって、色彩がまるで万華鏡のように変化します。この抜群の仕掛けが、子どもたちの視線を一瞬で釘付けにするのですね。

「ひとりの美しさ」を尊重しながら、さらに価値あるものとして、「喜びを分け合うこと」に重きをおいた物語。にじうおは、すべてのうろこをあげてしまうわけではなく、最後にちゃんと自分だけの特別な一枚を残します。

「自分らしさ」は手放さない。輝きを周りと分かち合うことで、世界がもっと美しく、生きやすい場所になる──。絵本に込められた力強いメッセージが、時代が変わっても、国境を越えても、子どもたちに愛される最大の理由だと思います。

詩人・谷川俊太郎さんの美しい日本語訳は、声に出して読むと、すっと体に染み込んできます。日々、ストレスにさらされる大人の心にも、にじいろの光はきっと優しく届くはずですよ。

絵本の中で、水族館の中で。お子さんと一緒にぜひ、親御さんにも自分の「キラキラ」を探していただければと思います。

*読み聞かせ 3さいくらいから
*ひとり読み 4・5さいくらいから


取材・文/星野早百合

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東條 知美
とうじょう ともみ

東條 知美

絵本コーディネーター

1973年、新潟県上越市生まれ。白百合女子大学児童文化学科卒業。メディアファクトリー(現KADOKAWA)、国立国会図書館、幼児教育専門学校、小・中学校図書館などでの勤務を経て、「絵本コーディネーター」の肩書で活動中。 子育てや教育、ジェンダーなどのテーマの下、絵本の可能性と魅力を幅広い世代に伝えながら、全国自治体で課題解決へのヒントを探る講演を行う。各種メディアのほか、バラエティ番組や情報番組にも出演。バンタンデザイン研究所では、絵本作家コースの講師を務める。 公式サイト  https://www.tojotomomi.com/ ブログ「僕らの絵本」 https://ameblo.jp/bokurano-ehon/entrylist.html

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1973年、新潟県上越市生まれ。白百合女子大学児童文化学科卒業。メディアファクトリー(現KADOKAWA)、国立国会図書館、幼児教育専門学校、小・中学校図書館などでの勤務を経て、「絵本コーディネーター」の肩書で活動中。 子育てや教育、ジェンダーなどのテーマの下、絵本の可能性と魅力を幅広い世代に伝えながら、全国自治体で課題解決へのヒントを探る講演を行う。各種メディアのほか、バラエティ番組や情報番組にも出演。バンタンデザイン研究所では、絵本作家コースの講師を務める。 公式サイト  https://www.tojotomomi.com/ ブログ「僕らの絵本」 https://ameblo.jp/bokurano-ehon/entrylist.html

星野 早百合
ほしの さゆり

星野 早百合

ライター

編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。

編集プロダクション勤務を経て、フリーランス・ライターとして活動。雑誌やWEBメディア、オウンドメディアなどで、ライフスタイル取材や著名人のインタビュー原稿を中心に執筆。 保育園児の娘、夫、シニアの黒パグと暮らす。