【中学受験】で親が伴走しないで「独走」? 志望校選びと併願校の急な変更の注意点

【中学受験SAPIXママ対談】漫画家・りえ太郎×教育ジャーナリスト・佐野倫子 ~後編~ (2/3) 1ページ目に戻る

教育ジャーナリスト:佐野 倫子

中学受験で親が独走! 偏差値表との正しい向き合い方

──数年にわたる中学受験の伴走で「もう少しこうすればよかった」と思うことはありますか。

りえ太郎さん:思い返せば伴走というより、親が「独走」していたと思う日もありますね。子どもと一緒に走っているつもりが、もはや自分のことのように胸が痛んだり。だから成績にも一喜一憂するし、焦りすぎてしまうことも。当時は一生懸命だっただけなんですけど。

佐野倫子さん(以下、佐野さん):わかります! 私は長男が6年生のとき、仕事が忙しすぎて、PCデスクから動かずにさっと取れるところに偏差値表を置いていました。仕事の合間にも、すぐ併願作戦を考えられるように、と。

りえ太郎さん:私も、リビングのあちこちに偏差値表を置いていましたね。いつでもすぐ見られるように。偏差値表を見て、ああでもないこうでもない、と受験の組み合わせを考え始めると止まらないんですよね~。

すべての画像を見る(全7枚)

佐野さん:今思えば、親が夢中になるほど、子ども本人の本当の様子は見えにくくなる気がします。ちょっと意識して肩の力を抜くくらいがいいですね。

──周りの保護者の様子を見て、焦ることもありますよね。

佐野さん:ありますね。漢字教材を保護者同士で分担して、オリジナルの問題を作っているグループがいましたね。今ならAIで同じようなことが簡単にできると思うんですけれども、それをお母さまたちの愛情と情熱と根気でカバーしているわけで。本当にすごいですよね。

りえ太郎さん:SNSには、学年ごとにSAPIXのテストの点数を集計して、クラスの基準点を予想するサイトを自主的に運営している方もいらして。私もお世話になりました。それで私も少しでもお役にたとうと思って、後半は集計をしていましたね。今思えば、私、相当頑張っていましたね(笑)。

直前の併願校変更…入試前夜の決断に備える準備

──受験本番で、特に大変だったことを教えてください。

りえ太郎さん:入試前夜、急遽、併願校を変更したときですね。出願締め切りギリギリまで、頭の中がフル回転でした。子どもをいちばん近くで見てきたのは私だ、という思いもあって、これは安全策をとったほうがいいと頭のなかで警報が鳴ったんです。

2月1日の夜、誰にも言わずに翌日受験する学校に出願しました。当初の予定よりも安全なほうへ進もうと決めたんです。あの判断は、胃がキリキリしました。

佐野さん:『元SAPIXママ 中受伴走1095日』(講談社)にも、そのシーンを描いていらっしゃいましたよね。読んでぐっときました……。

私も1月校のことですが、締め切り5分前で出願しました。ガバッと布団から起き上がって、「やっぱり出す!」と。本番期間中は、ギリギリの選択もあり得ますよね。

りえ太郎さん:そうなんです。だから、やっぱり幅広く学校を見ておいたほうがいいと思います。今の子どもの偏差値のところだけでなく、もっとお手ごろの学校も。「予定を変えよう」となってから、一から調べるのは大変ですから。

佐野さん:志望校を考えていると、つい上ばかり見てしまうんですけどね、無理しない偏差値で「ここに通うのもいいね」と親子で思える学校を、いくつか探しておくことは本当に大事です。変更するならどこを受けるか、出願や入学手続きはいつまでか。落ち着いている期間に、家族で確認しておきたいですね。

志望校の決め手は偏差値だけではない!

38 件