森永康平流「子どものマネー教育」おこづかい・投資体験・親の姿

僕自身が子ども向けの講座や授業で心がけているのは、海外でよくみられる「ゲーミフィケーション」というスタイルです。

ゲームを通じて株式投資や起業に伴うファイナンス（資金調達）を体験してもらうのですが、合間に早押しクイズなどさせるとめちゃくちゃ食いつくんですよね。

子どもって、「他の人に負けたくない」といった心理があるので、夢中になる（笑）。

また、スマホやタブレットを使い、無料アプリなどでデモトレードさせるのもありかと思います。あるいはPayPayなどのポイントを使った投資をさせてみる。ポイントですから、失敗してもリスクがありません。

こうしたことを、強制せずに、子どもが興味をもったタイミングで試してみましょう。

子どもは気まぐれですから、相手にされないときもあるかもしれません。でも、実は家庭の日常風景のなかに金融教育のネタはたくさん隠されています。

最後に、子どもにとっての最高の金融教育の教材をお教えしましょう。――それは、「親が楽しむ姿」です。

働きながらお金を稼ぎ、そのお金で子育てをしている。また、そのお金で自分の趣味にも使っていて人生を楽しんでいるという姿を、子どもに見せましょう。

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すべての人にとって、お金という存在が一生付き合う大事なものであることは間違いありません。

お金の教育とは、増やすこと＝投資だけでなく、使うこと、貯めることといった選択肢を広く学ぶことだと考えています。

子どものころにいかに「オポチュニティー・コスト」の考え方を身に付けさせて、適度に使わせるかが、将来のビジネスセンスに繋がってくることでしょう。

とはいえ、堅苦しく考えないでください。ぜひ、親子で楽しみながらお金のリテラシーを高めていっていただければと思います。

森永 康平（もりなが・こうへい）
株式会社マネネ代表取締役社長CEO。証券会社や運用会社にてアナリスト、エコノミストとしてリサーチ業務に従事した後、複数金融機関にて外国株式事業やラップ運用事業を立ち上げる。業務範囲は海外に広がり、インドネシア、台湾、マレーシアなどアジア各国にて新規事業の立ち上げや法人設立を経験し、各法人のCEOおよび取締役を歴任。現在は法律事務所の顧問や、複数のベンチャー企業のCFOも兼任している。