「キレやすい子ども」と信頼関係を築く3つの方法 親が変わるべき「𠮟り方」と「ほめ方」[専門医が解説]

#4児童精神科医が説く「キレる子ども」の受け止め方~キレにくい親子関係の築き方~

児童精神科医:原田 謙

⼦どもには“ほめる・𠮟られる”経験も⼤切

子どもはよいところをほめられる経験を通じて、自分の長所を理解していきます。しかし、それだけでは自尊心は十分に育ちません。できていないところ、足りないところを指摘される経験も必要です。

𠮟られる経験によって自分の悪いところを意識し、受け入れる感覚が身についていきます。大人からまったく𠮟られていない子どもは、「自分は大切にされていない」と感じてしまうものです。それは自尊心の低下につながります。

ほめることと𠮟ることは、どちらも大切です。子どもの自尊心を育てていくためにも、子どもとの信頼関係を築くためにも、𠮟ることも必要なのです。

やったことは悪い、でもあなたは悪くない

例えば、子どもが何か問題を起こしたら厳しく𠮟り、ほめるのは人よりもテストの点数がよかったときだけ、という接し方をしていて、子どもが自分を肯定できるようになるでしょうか?

それでは「条件付きの肯定」になってしまいます。競争に勝ったときにしかほめてもらえない子どもには、自尊心は育ちません。

「スポーツが得意」という長所も「怒りっぽい」という短所も、どちらもその子の一面として受け入れる。  イラスト/めやお『キレる子どもの気持ちと接し方がわかる本』より
すべての画像を見る(全7枚)

子どもが求めているのは「条件なしの肯定」です。よいところも悪いところもひっくるめて、受け入れてもらうことを願っています。

子どもは勉強をがんばったり家事を手伝ったりすることもあれば、キレて暴れてしまうこともあります。どちらもその子の一面として受け止めましょう。がんばっていることに目を向けて、よくほめながら、一方で、𠮟るべきときには𠮟る。そのようなバランスを心がけてください。

また、子どもを𠮟るときに大人が「やったことは悪い、でもあなたは悪くない」と意識することも大切です。子どもを一人の人間として無条件に肯定しているけれど、行動のこの部分だけは指摘する、という意識で𠮟るのです。

子どもも親も「25%」できればほめよう!

36 件