「メダカ」と「カダヤシ」見分けがつく?知れば知るほどハマる「水辺の生き物」
いつもの散歩が100倍楽しくなる「親子でおさんぽ自然観察」#3〜水辺の生き物編〜
2022.07.05
才色兼備な美しい野鳥 サギ
すらっとした長い脚に、とがったクチバシを持つサギ。河川や水田などの水辺でよく見られます。都会でも水辺で見ることができるサギを紹介しましょう。
●ダイサギ
全身が真っ白で、体の大きなダイサギ。夏はクチバシが黒く、冬は黄色へと変化します。ダイサギは頭や首が大きいため、バランスを崩さないよう、首をS字に縮めて飛ぶのが特徴。姿の似ているツルやコウノトリは、首を真っ直ぐにして飛ぶため、この点が見分けるポイントです。
(基本情報)
分類:ペリカン目サギ科
大きさ:90cmほど
見られる時期:通年
見られる場所:河川、池、沼、水田、干潟など
●コサギ
その名の通り、カラスほどの大きさの小型のサギ。ダイサギは、冬にはクチバシが黄色くなると説明しましたが、コサギは一年中黒いクチバシをしています。また、脚先だけ黄色く、スリッパを履いているような可愛らしい姿です。
(基本情報)
分類:ペリカン目サギ科
大きさ:60cmほど
見られる時期:通年
見られる場所:河川、池、沼、水田、干潟など
●アオサギ
翼の上のほうは灰色で、後方にある風切り羽の部分は、青みがかった黒色をしています。ダイサギと同じく大型のサギで、首を縮めて飛ぶ姿が特徴です。
(基本情報)
分類:ペリカン目サギ科
大きさ:90cmほど
見られる時期:通年
見られる場所:河川、池、沼、水田、干潟など
【豆知識】脚で水をかき回しているのは何?
サギを観察していると、脚で水をかき回しているのを見ることができます。これは、「足ゆすり漁法」と呼ばれるもの。水底につけた足を激しく振動させることで、魚やザリガニなどを追い出し、餌をとらえているのです。
サギはとても賢い鳥で、「足ゆすり漁法」のほかにも、クチバシで水面に波紋をつくって、魚をおびきよせる「波紋漁法」という方法も用います。
同じ場所で定期的に観察することで、生き物の生態を知れる
サギのなかには、一年中同じ場所で過ごす留鳥(りゅうちょう)のほか、暖かい場所を求め秋には南のほうに移動し、春になると日本にやってくる夏鳥(なつどり)がいます。
先ほど紹介したダイサギ、コサギ、アオサギは留鳥です。夏鳥にはチュウサギ、アマサギなどの種類がいます。チュウサギはダイサギとコサギの中間くらいの大きさです。アマサギは、夏になると羽が飴色になるので、すぐに見分けがつくでしょう。
こうした夏鳥を見かけたら、お子さんに夏鳥の話をしてあげると、生き物の生態を知るきっかけになるでしょう。
また、近くの池などでオタマジャクシを見つけたら、定期的に観察をしに行き、カエルに成長するまでを観察してみるのもおすすめです。
このように、季節や時期ごとに生き物を観察してみると、生き物の神秘を垣間見ることができますよ。
参考書籍『子どもと一緒に見つける 身近な生きものさんぽ図鑑』
子どもとのさんぽで出会う身近にいる虫・鳥・水辺の生きものを200種掲載! イラストや図解、マップなども使っているため、子どもと一緒に楽しめます。
参考書籍『季節の生きもの観察手帖: 自然を楽しむ二十四節気・七十二候』
草・木・鳥・虫など、季節の自然・生き物について、二十四節気ごとにおすすめの観察テーマを紹介。二十四節気をさらに約5日ずつに分けた七十二候では、日々の観察記録を掲載しています。観察記録を書き込むことができるので、自分だけの観察手帖づくりを楽しめる一冊です。
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最終回となる第4回では、「都会で見つける野生動物」をテーマに、野生動物を見つけるポイントをご紹介します。
取材・文/阿部雅美
NPO法人 自然観察大学
自然観察大学は“楽しみながら自然観察の視点を身につけよう”という目的のNPO法人。野外観察図鑑「校庭シリーズ」などの著者らが講師を勤める観察会で、参加したみなさんと一緒に楽しみながら、幅広く自然観察を勉強しようという活動を行っています。定期開催している観察会では、草花や虫などさまざまな分野に精通する約10名の講師が同行し、各専門分野の観察ポイントや話題を提供しています。 著書に『子どもと一緒に見つける草花さんぽ図鑑』『子どもと一緒に見つける身近な生きものさんぽ図鑑』(永岡書店 ※監修)、『季節の生きもの観察手帖 自然を楽しむ二十四節気・七十二候』(全国農村教育協会)など。 NPO法人 自然観察大学公式HP https://sizenkansatu.org/
自然観察大学は“楽しみながら自然観察の視点を身につけよう”という目的のNPO法人。野外観察図鑑「校庭シリーズ」などの著者らが講師を勤める観察会で、参加したみなさんと一緒に楽しみながら、幅広く自然観察を勉強しようという活動を行っています。定期開催している観察会では、草花や虫などさまざまな分野に精通する約10名の講師が同行し、各専門分野の観察ポイントや話題を提供しています。 著書に『子どもと一緒に見つける草花さんぽ図鑑』『子どもと一緒に見つける身近な生きものさんぽ図鑑』(永岡書店 ※監修)、『季節の生きもの観察手帖 自然を楽しむ二十四節気・七十二候』(全国農村教育協会)など。 NPO法人 自然観察大学公式HP https://sizenkansatu.org/