「メダカ」と「カダヤシ」見分けがつく?知れば知るほどハマる「水辺の生き物」

いつもの散歩が100倍楽しくなる「親子でおさんぽ自然観察」#3〜水辺の生き物編〜

NPO法人 自然観察大学

観賞用のメダカ。野生で見つかる“メダカ”はカダヤシであることがほとんどです。  写真:アフロ
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池や川、水たまりなどにも、様々な生き物が暮らしています。また、水面や水の中、周辺の草木など、場所によって見られる生き物が違うのも面白いところ。

そこで今回は、NPO法人自然観察大学の副学長を務める浅間茂先生に、「水辺で見られる生き物」の観察ポイントを教えていただきました。浅間茂先生は、生き物と環境の関係を主なテーマとし、水環境や、クモの生態、ボルネオの生物などを研究されています。

見慣れている生き物でも、その生態の不思議を知ることで、自然観察がより面白くなりますよ。(全4回の3回目。#1#2を読む)

水の上のスケーター アメンボ

アメンボは、実は細かく分けると30種以上の種類がいるんです。  写真提供:自然観察大学/浅間茂

池や水たまりなどでスイスイと水の上を移動するアメンボ。名前の由来は、甘い飴の匂いを放つことからきています。

アメンボは、じつはカメムシの仲間なんです。匂いを放つ特徴は、カメムシと同じですね。針のような口を使って、水に落ちて動けなくなった虫の体液を吸っています。

(基本情報)
分類:カメムシ目アメンボ科
大きさ:11〜16mm
見られる時期:3〜10月
見られる場所:池、水たまりなど

【豆知識】どうして水の上を歩けるの?

アメンボは、体や脚に油分を含んだ細かな毛が生えています。これが水を弾くため、沈まずに水の上をスイスイと歩けるのです。じっくり観察してみると、水底に6つの丸い影が見られます。これはアメンボの脚先で、表面張力によって水面が凹むからできるもの。アメンボが動くにつれて、丸い大きな影も一緒に動くのが面白いですね。

野生は絶滅が心配されている メダカ

野生のメダカを見ることが少なくなりましたが、観賞用のメダカはたくさん売られています。  写真提供:自然観察大学/浅間茂

親世代は、「めだかの学校」という童謡でメダカに馴染みがある方も多いのではないでしょうか? 

しかしじつは現在、メダカは絶滅が心配されているほど数が減っています。これは、水質汚染や環境破壊などのほか、メダカによく似ているカダヤシなどの外来種が原因のひとつです。

このカダヤシは、メダカよりも水の汚れに強いうえ、メダカの卵を食べてしまう厄介な魚。ちなみに、カダヤシは「蚊絶やし」という名の通り、蚊の幼虫であるボウフラを駆除するために、各地に放たれました。

水草の減少やメダカを食べる外来魚などが原因で、野生のメダカはほとんど見られないといってもいいほど、数が減ってしまっています。

(基本情報)
分類:ダツ目メダカ科
大きさ:35〜40mm
見られる時期:通年
見られる場所:流れの穏やかな小川、水路、水田など

【見分け方】メダカかな? カダヤシかな? 見分けてみよう!

カダヤシの雌です。  写真提供:自然観察大学/浅間茂

メダカとカダヤシはとてもよく似ている魚。見分け方は尻びれの形です。メダカの尻びれは体に沿うようについており、形は長方形。一方、カダヤシの尻びれはメダカに比べると小さく、雄の尻びれは尖っていて、雌の尻びれは丸みを帯びています。

野生のメダカは、ほとんど見られないため、「メダカだ!」と思っても、「カダヤシ」であることがほとんど。もし野生のメダカを見つけることができたら、“大発見”かも……。

緑色も茶色も同じカエルです。ニホンアマガエル

体の割に大きな声で鳴くアマガエル。  写真提供:自然観察大学/浅間茂

ニホンアマガエルは、鮮やかな緑色の小さなカエルです。変色性の生き物で、普段は緑色ですが、土や枯れ葉の多いところでは、体を茶色に変え、外敵から身を守っています。

ニホンアマガエルは、病原菌から身を守るため皮膚から毒性のある物質を分泌しているので、触ったあとには、必ず手を洗うようにしましょう。またカエルを触った手で、粘膜や傷口を絶対に触らないようにしてください。

鮮やかな緑色だったのが、環境に合わせて茶色に変化します。  写真提供:自然観察大学/浅間茂

(基本情報)
分類:カエル目アマガエル科
大きさ:20〜45mmほど
見られる時期:3〜11月
見られる場所:公園、庭、水田など

【豆知識】アマガエルが鳴いたら雨が降る?

カエルが鳴くのは、繁殖期にオスがメスに自分の存在を知らせるため。しかし、アマガエルは繁殖期ではなくとも、雨が降りそうになると鳴くという性質を持っています。道を歩いているときや、公園などで散歩をしているとき、「クワックワックワッ」と聞こえてきたら雨にご注意!

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