過酷!「子どもの入院付き添い」 小児病棟に保育士などを配置しやすくする仕組み ついにスタート!

キープ・ママ・スマイリング理事長・光原ゆき氏に聞く「子どもの入院付き添いの実態」 #3 ~これからの付き添い入院~

認定NPO法人キープ・ママ・スマイリング理事長:光原 ゆき

大人の何倍も手間がかかる子どもの治療

子どもの治療は、大人の治療よりも何倍も手間がかかります。注射や採血ひとつするにしても、赤ん坊をじっとさせておくことは困難なので、何人もの医師や看護師で行う必要があります。また、赤ちゃんであれば治療に加えてミルクやオムツなどの世話も必要になります。

それに対して、現状の仕組みでは、そのような手間に対して報酬を支払う 仕組みがありませんでした。赤ちゃんの患者でも、大人の患者でも、診療報酬から支払われる看護師などの人件費は基本的に変わらないからです。つまり、患者さんの年齢によって看護師さん1人が担当する患者さんの数は変わらないのです。

そのため、病院の人手不足を補うために、やむを得ずママやパパの付き添いを求めていたという現状があります。

画像提供:認定NPO法人キープ・ママ・スマイリング(イラスト協力:ひいらぎ舎)
すべての画像を見る(全6枚)

しかし、2024年6月から、やっと少しずつ改善される兆しが見えました。診療報酬制度の中で、子どものケアをする保育士や看護助手の配置に対して加算がつく仕組みができたからです。

金額としては決して大きくはありませんが、これは非常に画期的なことです。子どもにとって、そして、付き添う親にとっても必要であると考えて、国が真剣に動いてくれた証だからです。

次のページへ 付き添い保護者が「3食を食べない理由」のデータグラフを公開
27 件