「もう死にたい」娘のひとことで私は我に返った
「せっかく新しい中学校に入ったのに、このまま不登校になったらどうするの?」「高校だってあるのよ? 将来のことちゃんと考えてるの?」私はパニックに陥りました。
小学校時代は娘のペースに合わせてきたけれど、娘はもう中学生。学校を変えても、何も変わらないなんて……。私は、もうどうしていいのかわからなくなっていました。焦れば焦るほど、娘への言葉が鋭くなり、私と娘は毎日のように衝突するようになりました。
行き渋る娘を無理やり車に乗せて、校門まで連れていったこともあります。しかし、娘は頑なに車から降りようとせず、後部座席で小さくなってガタガタと震えているだけ。
「どうしてわかってくれないの?」という娘への苛立ちと、「このままでは社会から取り残されてしまうのでは?」という将来への不安。それらが交錯して、私の気持ちは、もうグチャグチャでした。
でも、ここで不登校になってしまったら、仲間外れに屈してしまったことになるのではないか。娘に原因がないのであれば、娘が不登校になるのは理不尽だ。そんなふうに感じていた私は、なんとしてでも、娘を学校に行かせなければと思っていたのです。
そんなある朝、相変わらず起きてこない娘を起こすために寝室まで行ったときのことです。布団を引っ剝がし「ほら、学校に行くわよ」という私に、いつものように泣きながら「行きたくない!」と抵抗する娘。
そんな娘の腕を引っ張ろうとした瞬間、娘がか弱い声で呟いたのです。
「……もう、死にたい」
「え……今、なんて言った……?」一瞬、娘が何を言ったのか理解できませんでした。そして次の瞬間、頭を殴られたような衝撃が走りました。
ああ、私はなんていうことをしてしまったんだろう。大切な娘に「死にたい」とまで言わせてしまった。学校へ行くかどうかよりも、この子が生きていることのほうが、何万倍も大事だったはずなのに。
私はいつの間にか、娘の心ではなく“学校に戻すこと”という世間体ばかりを追いかけていたのです。
文/構成・橘サチ
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