【ラン活 23年モデル】「脱ランドセル派」ZACARI・エルゴランセル・NuLANDが創る「新リュック型」は “軽い、丈夫、安い”

最旬!ラン活2023〜#4 脱ランドセル派のリュック型通学鞄編〜

ライター:遠藤 るりこ

持続可能な社会を意識した 新時代ランドセル

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エルゴランセルと同じく、こちらもお子さんを持つママが開発した「NuLAND〈ニューランド〉」(33,000円・税込〜)。

開発当初、SNSママメディアの代表だった合同会社RANAOS(以下RANAOS)の岡本直子さんは、ご自身の子どもの小学校入学を機に、現在の子どもたちの荷物の多さに大変驚いたと言います。

「我が子の入学はちょうどコロナ禍が社会にひろがりだしたタイミングで、小学校は休校からスタート。やっと毎日通学できるようになった時はすでに初夏でした。

実際に通い出してみると、荷物がとても重いのに加えて、真夏で猛暑続き。ゲリラ豪雨で大事なランドセルが濡れてしまってショックを受けたり……。

そんな経験がきっかけで『機能的で、環境にも子どもの身体にも負担をかけないランドセルがほしい』と思うようになりました」(RANAOS・岡本さん)

まず、SNSメディアで、母親たちにランドセルの実態を取材。荷物がいかに重く、子どもたちの身体に負担になっているかが判明するとともに、その反響の大きさに驚きました。

「最初に取り組んだのは、子どもの荷物を減らすため置き勉を推奨するための啓蒙と署名活動《ラン軽プロジェクト》。その活動をしつつ、ランドセルの開発にものりだしました」(RANAOS・岡本さん)

現役小学生や、その保護者を実際に招き、何度も開発会議を重ね、いろいろな意見を元にそのすべてを詰め込んだのです。

デビュー2年目の「NuLAND<ニューランド>」。写真左は2022モデルのレッド、写真右がピンク(いずれもNEWカラー、Mサイズ、数量限定)。全5色、36,300円(税込)。予約注文受付中。 写真提供:NuLAND

ニューランドの素材にはサステナブルな配慮もあります。

「子どもたちの未来のため、持続可能な社会に貢献できる素材を使いたかった。そこで、古着や工場で生産時に出た残反を原料にした、循環型リサイクル生地である『RENU』を採用しています。

子どもたち自身にとっても、自分たちが毎日使う一番身近な製品で、環境を考えるきっかけになればうれしいです」(RANAOS・岡本さん)

開口部が広く荷物の出し入れが簡単。水筒やお弁当、タブレットなど、いろいろな荷物を入れることを想定し、中ポケットにもたくさんの工夫が。 写真提供:NuLAND

NuLANDは昨年2021年3月に販売を開始。デビュー早々からSNSを中心に、小学生の子どもを持つママたちの間で話題となりました。まずは買い換えや2個目のランドセルとして購入する小学生たちが、2021年秋頃から利用。そして今春(2022年)、新1年生たちもNuLANDを背負って登校を開始しています。

「NuLANDは新しい社会のデザイン、選択肢として提案した商品です。個人の事情や嗜好などが多様化するなか、それぞれの個性を尊重する時代だと思ってます。

環境に配慮した素材を使い、軽く、子どもの身体に負担をかけない、機能性を重視した新しいスクールバッグを望んでいる方は、私自身がそうであったようにたくさんいらっしゃると信じて開発しました。

NuLANDを通して、新しい価値観を受容できる社会であってほしい、と願っています」(RANAOS・岡本さん)

フラップあり990gから、フラップなし750gと、さらに軽さを実現した。フラップの取り外しで見た目の雰囲気ががらりと変わり、小学校の6年間だけで役目を終えないデザインに。 写真提供:NuLAND

2022年から販売開始した新モデルは、フラップ(ランドセルのかぶせ部分)の取り外しができるデザインを採用。フラップのあり・なしを選べることで、通学鞄としてだけでなく、いろいろなシーンで使え、卒業してからも背負えるようになりました。

「ひとつのものを大事に、長く使う」という面においても、SDGsを意識した新しい通学鞄です。

◆◆◆◆◆
いろいろなメーカーが趣向を凝らした、ランドセルの代替となる通学鞄。驚きの軽さや新しい機能性をもったもの、ランドセルの良さを引き継ぎながら新素材を採用しているもの、子どもたちはより多くの選択肢が広がります。新学期から、新しい鞄を背負った小学生がたくさん見られることでしょう。

次回は、ランドセルの重さ対策グッズや、増える荷物対策、コロナ禍をふまえたでの新しい追加アイテムをご紹介します。

取材・文/遠藤るりこ


《取材協力ブランドと、新作リュック型・通学鞄について》
株式会社マルヤス/ランリック
ランリックⅡ 赤/紺 各12,540円(税込) 黒×黄/黒×赤 各18,920円(税込)

通学はいのうZACARI(ザカリ)
「通学はいのう」全8色(白、黒、紺、緋、瑠璃、山吹、織部、土筆) 各39,600円(税込)
※オンライン販売:2022年4月18日よりZACARI公式ウェブストアにて予約受付開始。店頭販売:伊勢丹新宿店「ランドセルフェスティバル」(4月27日~5月5日)等、百貨店での催事やポップアップストアでの展開も予定(詳しくはZACARIホームページを参照)

ERGORANSEL(エルゴランセル)
「エルゴランセルのランドセル」全6色 各55,000円(税込)
※2022年4月27日から埼玉県越谷市のイオンレイクタウンkaze内、体験型ストアb8ta(ベータ)に展示。実物の試着が可能。10月末まで予定。

NuLAND(ニューランド)
2022モデル(フラップ着脱可能タイプ) Mサイズ ブラック、キャメル、ネイビー、レッド(NEW)、ピンク(NEW) 全5色 各36,300円(税込) 予約注文受付中
2021モデル Mサイズ レッド、キャメル 各33,000円(税込)、Lサイズ ブラック・レッド 各36,300円(税込)現在販売中
※公式サイトもしくは全国各地で行う期間限定百貨店の特別展示会にて発売

※「最旬!ラン活2023」記事は全5回。
#1 工房系ランドセル編
#2 大手メーカーランドセル編
#3 アパレル系ランドセル編
 この記事は#4です 
#5 便利グッズ編

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えんどう るりこ

遠藤 るりこ

ライター

ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe

ライター/編集者。東京都世田谷区在住、三兄弟の母。子育てメディアにて、妊娠・出産・子育て・子どもを取り巻く社会問題についての取材・執筆を行っている。歌人・河野裕子さんの「しつかりと 飯を食はせて 陽にあてし ふとんにくるみて寝かす仕合せ」という一首が、子育てのモットー。 https://lit.link/ruricoe