「十五夜」と「中秋の名月」何が違う? 子どもに由来をわかりやすく説明する方法

【9月の行事】親子で話したい行事の由来 ~十五夜~ (3/3) 1ページ目に戻る

和文化研究家:三浦 康子

月見団子には、どんな意味がある?

丸い月見団子は、十五夜の満月に見立てたものです。昔の人は、その年の収穫に感謝し、これからも豊かな実りが続くよう願いを込めて、お月さまに団子をお供えしました。

写真:すずゆき
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月見団子を供える数は、十五夜にちなんで15個、それを略して5個、その年の満月の数に合わせて12個(閏年は13個)などいくつかあります。いずれもピラミッド型に積むイメージがありますね。

お供えした団子は、感謝の気持ちを込めてお月さまにお供えしたあと、家族でいただきます。お供えした月見団子を食べることで、月のパワーを分けてもらえるといわれています。

十五夜になぜすすきを飾る理由

十五夜にすすきを飾るのは、月の神様が降りてくるところ(依り代)と考えられているからです。

すすきが選ばれたのは、秋の実りを象徴する稲穂は収穫前だったので、稲穂に見立てたすすきを飾り、豊穣への願いを表すようになったからだといわれています。

また、すすきには邪気を払う力があると信じられていたことから、お月見のあとに軒先へ飾ったり、田んぼに立てたりする風習が残る地域もあります。

十五夜には、お団子だけでなく、その時期の収穫物を供えます。とくに、十五夜は芋の収穫祝いとして里芋やさつま芋を供えるので、別名「芋名月」と呼ばれています。

りんごやぶどうなどの果物を一緒に供えることも多く、ぶどうのようなツルものを供えると、お月様との結びつきが強くなるといわれています。

旬の食べ物をお供えするのは、「今年もたくさん実りました。ありがとうございます」という感謝の気持ちを表すため。昔の人は、月を眺めながら自然の恵みに感謝し、その喜びを家族みんなで分かち合っていたのです。

十五夜の過ごし方とおすすめの行事食

まずは月を眺めて、月の模様を楽しみましょう。そして、子どもに「何に見える?」と質問してみましょう。日本では月にうさぎがいると言われていることや、他の国では違う見え方があることを教えてあげてください。

親子でお月見団子作りにチャレンジしてみるのもおすすめです。簡単に作れますし、お供えの並べ方も一緒に学べますよ。

写真:すずゆき

お月見が終わったら、供えたものを下ろして食べてみましょう。神様からの賜り物として一緒に食べることで、お月見の行事が完結します。

また、十五夜におすすめの行事食は、お団子や里芋で作る「きぬかつぎ」です。きぬかつぎは、里芋を蒸して皮を半分剝き、ごま塩をつけるだけの簡単な料理。それをお供えしてもいいですね。

十五夜は芋の収穫に感謝する意味もあるので、サツマイモがあれば、レモン煮や赤ワイン煮もおすすめ。赤ワインとお砂糖で煮ると大人の味になって美味しいです。

十五夜が忙しくて時間がない場合は、食事をいただくときにお月様の方を見ながら掲げ、「ありがとうございます、いただきます」と言うだけでも感謝の心が表わせます。お子さんと一緒にやってみましょう。

「十五夜」を子どもに聞かれたらどう答える?

Q.「十五夜」ってなあに?

A.今日は十五夜だね。丸いお月様が一番きれいに見える日なんだよ。お月様に「ありがとう」っていう気持ちを込めて、お団子やお供え物を飾るんだよ。

Q.「十五夜」には、何をして過ごすの?

A.きれいなお月様を眺めたり、秋に採れた食べ物をお供えしてもいいんだよ。簡単にできるから、月見団子を作ってみる? お月見が終わったら、お供えを食べるとお月様のパワーを分けてもらえるんだよ。

───◆────◆───

月は昔から花鳥風月として風雅を象徴し、暮らしを支えてきた存在。電気がない時代には月明かりで暮らし、月の満ち欠けで時を知り、天候を予想したりしていました。

また月は、「おかげ様」の心の象徴。風雅な面と、「おかげさまでありがとうございます」という気持ちを、この十五夜の行事を通じて子どもたちに伝えられるといいですね。

取材・文/尾関久美子

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三浦 康子
みうら やすこ

三浦 康子

Yasuko Miura
和文化研究家、ライフコーディネーター

古を紐解きながら今の暮らしを楽しむ方法をテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Web、講演などでレクチャーしており、行事を子育てに活かす「行事育」提唱者としても注目されている。All About「暮らしの歳時記」、私の根っこプロジェクト「暮らし歳時記」などを立ち上げ、大学で教鞭をとるなど活動は多岐にわたる。 著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)、『かしこい子に育つ季節の遊び 楽しい体験が心を豊かにする12か月の行事育』(青春出版社)、監修書『おせち』(福音館書店)、『季節を愉しむ366日』(朝日新聞出版)ほか多数。 HP https://wa-bunka.com/

古を紐解きながら今の暮らしを楽しむ方法をテレビ、ラジオ、新聞、雑誌、Web、講演などでレクチャーしており、行事を子育てに活かす「行事育」提唱者としても注目されている。All About「暮らしの歳時記」、私の根っこプロジェクト「暮らし歳時記」などを立ち上げ、大学で教鞭をとるなど活動は多岐にわたる。 著書『子どもに伝えたい 春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』(永岡書店)、『かしこい子に育つ季節の遊び 楽しい体験が心を豊かにする12か月の行事育』(青春出版社)、監修書『おせち』(福音館書店)、『季節を愉しむ366日』(朝日新聞出版)ほか多数。 HP https://wa-bunka.com/