ライバルママ友との仲だって緩和
また、元来ものぐさな私のこと、こういうことでもないと忙しい子育ての間に“流行りのおもたせ”情報にアンテナを張ることはまずありません。
殺伐としがちな主婦業&育児の中で「誰かのために素敵なモノを探すひととき」は、遠い昔のオトメ時間にタイムスリップしているかのよう。そう考えると、プチギフト文化も捨てたもんじゃないと思えてきます。
さらに、ママだけでなく子どもがからむコミュニティでは、感情が複雑に絡み合いがちです。その複雑な感情の詰まりをグイッと押し出し、流れを良くする“パワーアイテム”が、このプチギフトだったのです。
なぜプチギフト文化がママ友界で栄えたのか、朱に交わってみたことで、その存在意義がわかりました。
ちょっとした子ども同士のトラブルや、たまに発生するママ友グループ内での不穏な空気などは、出会いがしらにプチギフトを1個渡すだけで、あら不思議、ほんのり緩和された気がします。
さらに、共通点のないママや苦手なママとの会話のきっかけ作りにもなります。お教室や習い事など、バチバチのライバル関係になりがちなママたちとも長い間良好な関係を築けていたのは、このプチギフトの存在があったからかもしれません。
ブランド品よりお金を費やす価値がある!?
このように、プチギフトで解決する問題は少なくないと思います。この“ひと手間”こそ、複雑な人間関係がさらに複雑怪奇になるのを防いでくれるのです。
だから「え〜面倒くさ〜」なんて思わず、少しでもトラブルの気配を感じる時などは、むしろ積極的に投入すべきだと思うのです。
もちろん、お財布は痛い。
でも、考えてもみてください。高級なバッグや靴や洋服に大枚をはたいても喜ぶのは自分くらい。人からほめられてちょっとイイ気分になれたとしても、別に何が返ってくるわけでもない。
それどころか、裏では「ねたみ」という恐ろしい悪感情を持たれることで、とんだ災難がふりかかる可能性だってあるのです。
しかし、プチギフトはその反対で、相手を「ご機嫌」にする。印象は好印象に、反感だって好感に変わって返ってくるかもしれないのです。
これって、投入金額に対しての見返りを考えると、すごくコスパが良いと思いませんか?
もしかして、こういうふうに人との縁をつなぐツールに費やすことは、お金の使い方としてはいちばん効果的なんじゃないかとすら感じます。
生きている以上、誰かと接し続けていかなければいけません。そこでは、とうぜん人間関係のトラブルがつきまとう。だからこそ、コミュニケーションの悩みは、誰にとっても一生ついてまわる、もっともストレスフルな課題ではないかと思うのです。
そんな時、ちょっとプチギフトを持ってお出かけしてみませんか? ほら、渡した瞬間、ニコッとする相手の顔が思い浮かぶでしょう。
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華子
ライター。一般的なサラリーマン家庭で育ち、公立で小・中・高を過ごす。都内の大学卒業後、プチセレブな夫と出会い、結婚。女児の母。庶民との差に日々驚きつつも、平然なふりを装ってアセアセと暮らしている。 TOKYOお受験の裏側
ライター。一般的なサラリーマン家庭で育ち、公立で小・中・高を過ごす。都内の大学卒業後、プチセレブな夫と出会い、結婚。女児の母。庶民との差に日々驚きつつも、平然なふりを装ってアセアセと暮らしている。 TOKYOお受験の裏側