
「読書感想文」生成AIを使って「子どもの心」を掘り下げる書き方 元小学校教諭が教えるAI活用術
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2026.06.12
札幌国際大学准教授、文部科学省学校DX戦略アドバイザー、デジタル庁デジタル推進委員:安井 政樹
新しい問題とは、生成AIの登場です。
保護者が思っている以上に、AIはすでに子どもたちの身近にあります。すでに使っている子もいれば、これから使い始める子もいるでしょう。大人が「まだ小学生には関係ない」と思っていても、子どもたちは友達との会話や家庭の端末、学校から持ち帰った端末などを通して、AIという存在に触れています。
AIを使っている小学生はどのくらいいるの?
ChatGPT(OpenAI社)、Gemini(Google)、Micrsoft 365 Copilot(Micrsoft)など、主な生成AIサービスにはいずれも年齢制限ルールがあり、3社とも使用できるのは13歳以上から。さらに18歳未満の場合は、保護者、親権者または法定後見人の許可や、学校用のGoogleアカウントでは管理者の利用許可が必要とされています。
しかし、ベネッセコーポレーションが2025年11月に行った、全国の小学3年生から小学6年生とその保護者1,032組へのChatGPTなどの生成AIの認知、利用経験や今後の利用意向のアンケート調査によると、小学生で生成AIを知っている子どもは45.9%で、そのうち80%以上が利用経験があるという結果が出ています。
さらに「保護者のスマホやPCなどのデバイスを使って、子ども自身が使う」割合は42.6%と最多で、子どもが「自分のスマホ・PCなどのデバイスを使って自分で使う」が39.2%となり、「保護者が子どもの代わりに調べる」のは18.1%。
つまり、「年齢制限ルール」が効力を十分に発揮しているとはいえない状況なのです。
だからこそ、読書感想文についても、「AIを使わない前提」で考えるだけでは十分ではありません。これからは、AIを使う可能性があるという前提で、家庭でも使い方を一緒に考える必要があります。(ただし、次回記事で詳しく述べますが、13歳未満の子どもがChatGPT等の生成AIに触れる場合は、保護者や教師などが管理しながら利用することが推奨されています)
その上で、最初に確認しておきたいことがあります。AIを使うことそのものが問題なのではありません。問題は、AIに何を任せるのか、子ども自身が何を考えるのかという線引きです。
読書感想文は、完成させればよいというものではありません。きれいな文章ができあがればそれでよい、という課題ではないのです。読書感想文を書くことは、あくまでも手段です。本を読み、その本を通して自分の感じ方や考え方を見つめ、自分はどうありたいのかを考える。その過程にこそ、大きな意味があります。
読書感想文は「自分を見つめる」ために書く
読書感想文をなぜ書くのでしょうか。
この問いを抜きにしてしまうと、読書感想文はただの「夏休みの消化試合」になってしまいます。原稿用紙を埋めること、提出日に間に合わせること、うまく書くことだけが目的になってしまうのです。
しかし、本来の読書感想文のよさはそこではありません。
読書とは、本の中にある誰かの考え方や生き方に出会うことです。登場人物の言葉や行動にふれながら、「自分と似ているな」「自分とは違うな」「自分もこんなふうになりたいな」と考えることがあります。
読書感想文は、そのように本を通して自分を見つめるためのものです。
読書をして、自分がどんな感想をもったのか。
自分がどうなりたいと思ったのか。
今の自分をどう捉え直したのか。
これからの自分に、どんなことを生かしたいと思ったのか。
そうしたことを書くのが読書感想文です。
つまり、読書感想文を書くこと自体が目的なのではありません。読書感想文を書くことを通して、自分のあり方や生き方、自分の理想について考えることが大切なのです。
だからこそ、AIに読書感想文を丸ごと書かせてしまうと、その一番大事な部分が抜け落ちてしまいます。AIがどれほど整った文章を書いたとしても、そこに子ども自身の心の動きがなければ、それはその子の読書感想文とは言えません。
AIに書かせたところで、自分がどうなりたいのか、自分は何を感じたのか、自分の姿をどう考えたのかを見つめなければ、まったく意味がありません。
AIは「代筆者」ではなく「サポーター」に
では、読書感想文でAIを使ってはいけないのでしょうか?


































