「人と違うこと」は『悪』?
『放課後死体クラブ(仮題)』の主人公であるひよりも、小学校時代に所属していた劇団内のある出来事から「人と違うこと・人から嫌われること」に大きなトラウマを抱きます。
「みんなと違う部分を見せることが『悪』だとされていることを、わたしは痛いほど知っている。」
(『放課後死体クラブ(仮題)』より引用)
学校などのコミュニティにおいて、趣味、好きなコンテンツ、思い出……。なんでも「同じであること」を求められているような息苦しさを覚えたことが、この記事の筆者もあります。
ひよりは、「人と違うこと」を恐れるあまりに人の顔色をうかがい、自分の意見を言えなくなってしまいます。
しかし、ホラー好きであることを隠さず、ひとりで立っているように見える由木に出会い、葛藤しながら少しずつ自分の「好き」に向き合うことができるようになっていきます。
「強さ」はトラウマの裏返し
一方で、強く見える由木にも、ある「トラウマ」がありました。
「あたし、マイナスの感情に正面から向き合うのが苦手みたい。無意識に避けちゃうというか、ごまかしちゃうというか……」
(『放課後死体クラブ(仮題)』より引用)
強く見えるのは、過去に受けた傷の裏返し。
無意識に、自分の心の柔らかい部分から目をそらしていました。
「傷つくことからは逃げないんだから、弱いんだか強いんだか」(『放課後死体クラブ(仮題)』より引用)
そんな由木も、傷つくことから逃げないひよりと関わっていくうちに、自分の傷を自覚してその傷に向き合っていきます。
自分の傷と向き合うことには、勇気が必要だと思います。
主人公たちも周りに流されて、後悔して、苦しんで……。
『放課後死体クラブ(仮題)』は、傷を抱えた人に淡い光を与えてくれる作品です。
ぜひ一度、手に取ってみてはいかがでしょうか?
『放課後死体クラブ(仮題)』
第66回(2025年度)講談社児童文学新人賞を受賞した、中学校を舞台に、それぞれが抱えた傷と向き合いながら、唯一無二の友情を築いていく物語『放課後死体クラブ(仮題)』は、全国の書店やネット書店にて発売中です。
自分の本音を押し込めて過ごすひよりと、周りを気にせず堂々と振る舞う由木は、「ホラー映画」という共通の趣味から、意気投合。そして「放課後死体クラブ」というホラー映画の死体役を目指すクラブを結成します。それまで関わりのなかった二人がクラブ活動を通じて、互いにかけがえのない友情を築いていきます。正反対だった二人が向かうその先にあるものは──。

































児童図書編集チーム
講談社 児童図書編集チームです。 子ども向けの絵本、童話から書籍まで、幅広い年齢層、多岐にわたる内容で、「おもしろくてタメになる」書籍を刊行中! Twitter :@Kodansha_jidou YA! EntertainmentのTwitter :@KODANSHA_YA_PR
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