兄は弟を「信頼」し、弟は兄を「裏切らない」
秀吉は、秀長が周囲から慕われていることに、時に嫉妬を感じていた節があります。しかし、それでも秀長を遠ざけることはありませんでした。
それは、絶対に兄を裏切らない、忠実無比の秀長の心を少しも疑わなかったからです。
しかし残念なことに、秀長が亡くなったあと、秀吉はタガが外れたように無謀な行動に走り、豊臣家は崩壊に向かいます。
──支える根がなくなれば、大木は倒れる。
この歴史は、私たちに「すぐれたリーダーと補佐の組み合わせが、チームを安定させる最重要の柱である」ことを教えてくれます。
【まとめ】
秀吉と秀長は、互いを唯一無二のパートナーとして信頼し、それぞれの長所を最大限に活かし、短所を補い合うことで、歴史的な成功を収めました。
・「上を目指す子」と「支える子」
・「目立つ子」と「裏方で頑張る子」
どんな個性であっても、親が愛情をもってそれぞれの役割を認め、「あなたは、この家庭にとって、かけがえのない存在だよ」と伝え続けること。
それが、いつか子どもたちが大人になったとき、互いに支え合い、心から頼り合える関係を築くための、何よりの土台となるでしょう。
※この記事は、「2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』を観る前におさらい!兄・豊臣秀吉に天下を取らせた弟・秀長の超絶手腕」(文/小沢章友 現代ビジネス)をもとに、コクリコ編集部が構成しました。
秀吉&秀長の絆をもっと知りたい!

大河ドラマで注目! 天下人・豊臣秀吉の陰で、戦も政治も支え続けた実弟・豊臣秀長。兄の家来として仕え始めた少年・小竹は、織田信長のもとで秀吉とともに戦に挑み、軍師と出会い、本能寺の変、明智光秀との決戦など激動の時代を兄弟で駆け抜けます。
やがて大阪城を築き、天下統一を成し遂げるまで、いつも兄のそばにいたのは秀長でした。派手さはなくても、「いちばん信頼できる人」として歴史に名を残したその生き方は、きょうだいや自分の役割に悩む子どもたちの心にも、きっと響くはずです。
〈小学・中級から・すべての漢字にふりがなつき〉





































小沢 章友
1949年、佐賀県出身。早稲田大学政経学部卒業。『遊民爺さん』(小学館文庫)で開高健賞奨励賞受賞。青い鳥文庫でのおもな著書に『織田信長‐炎の生涯‐』『豊臣秀吉‐天下の夢‐』『徳川家康‐天下太平‐』『黒田官兵衛‐天下一の軍師』『武田信玄と上杉謙信』『真田幸村‐風雲! 真田丸』『大決戦! 関ケ原』『徳川四天王』『飛べ! 龍馬』『西郷隆盛』『三国志』(全7巻)、『西遊記(新装版)』がある。史実にもとづいた読みやすい歴史物語には定評がある。歴史もののほか、『プラネット・オルゴール』(講談社)、『三島転生』(ポプラ社)、『龍之介怪奇譚』(双葉社)などがある。
1949年、佐賀県出身。早稲田大学政経学部卒業。『遊民爺さん』(小学館文庫)で開高健賞奨励賞受賞。青い鳥文庫でのおもな著書に『織田信長‐炎の生涯‐』『豊臣秀吉‐天下の夢‐』『徳川家康‐天下太平‐』『黒田官兵衛‐天下一の軍師』『武田信玄と上杉謙信』『真田幸村‐風雲! 真田丸』『大決戦! 関ケ原』『徳川四天王』『飛べ! 龍馬』『西郷隆盛』『三国志』(全7巻)、『西遊記(新装版)』がある。史実にもとづいた読みやすい歴史物語には定評がある。歴史もののほか、『プラネット・オルゴール』(講談社)、『三島転生』(ポプラ社)、『龍之介怪奇譚』(双葉社)などがある。