
木彫り作家キボリノコンノ×累計1500万部の絵本編集者が贈る初の赤ちゃん絵本『まーるちゃん ふ~』誕生の秘密とは?
『だるまさんが』の編集者が惚れ込んだ才能! (3/5) 1ページ目に戻る
2026.11.01
ライター:小川 聖子
手を動かしながら、オリジナルの「かわいい」を発見していく
──そこから、主人公のまーるちゃんは、どのように生まれたのですか?
コンノ:「硬いものが柔らかくなる表現をしてみたい」ということで、先に「かくっとさん」というキャラクターのアイディアが生まれました。
赤ちゃん向けのファーストブックだからこそ、見慣れた丸や四角の積み木のような木材がキャラクターになっていたら、分かりやすいかなと。
それを沖本さんがおっしゃっていた「深呼吸」や「スキンシップ」というキーワードと結びつけて、誰かが「ふー」と息を吹きかけると、「かくっとさん」が曲がったり震えたりする掛け合いになったら楽しいかな、アイディアをふくらませていくうちに、まーるちゃんが生まれてきました。
ただ、実は「じゃあやりましょう!」となっても、具体的なデザインやラフがしっかり決まって制作を始めたわけではないんです。
『まーるちゃん ふ〜』制作風景(写真:著者提供)
──少し不安になりそうですね。
コンノ: 僕は「やっていればなんとかなるだろう」という気持ちで挑むタイプなんです(笑)。
絵で描いてもしっくりこなかったので、粘土でサンプルを作ってみたのですが、最初は全然かわいくなくて。
「大丈夫かな……」と思いながらも、実際に木を彫り始めてみると、「ここをこうしたらかわいくなるかも……なった!」みたいな感じで、その場その場でかわいらしさを発見しながら進めました。
沖本:仕上がりを細かく確認して進めるよりは、コンノさんがのびのび作るほうがうまくいきそうだなと思いました。
ご自身が創作を心から楽しんでいて、コンノさんなら「かわいい」を自分で見つけてかたちにしてくれるだろうと、信頼して。
キャラクターたちのサンプル写真は見せていただいていましたが、いざ撮影現場でまーるちゃんの実物を前にしたときは、「えええ! ちっちゃ!」と、びっくりして思わず声がでました(笑)。
『まーるちゃん ふ〜』制作風景(写真:著者提供)
コンノ:大きめのほうが彫りやすいのですが、あえて小さくしたのは、まーるちゃんたちを展覧会で展示することを想定していたからなんです。
子どもたちや、お母さんお父さんが、みんなでぎゅっと集まって「こんなふうになってるんだね」と、驚きとともに覗き込めるサイズにしたかったんです。
沖本:そこまで見越して制作するとは、さすがコンノさん。まーるちゃんは、コンノさんが発見したオリジナルのかわいさにあふれていますね。
作っている対象を、心から「かわいい」と思っている人が作るものは、やっぱりかわいいな~と思いました。

































