
ちゃんみな『No No Girls』に見る“誠実な𠮟り方” ちゃんみなに教わる「怒ると𠮟る」の違いとは?[精神科医が監修]
ちゃんみな・ノノガに学ぶ「子育て」第2回(全3回)~𠮟り方編~ (3/3) 1ページ目に戻る
2026.03.20
𠮟った後の「フォロー」が親子の信頼を深める
また、番組内で印象的だったのは、厳しい指摘をした後のちゃんみなの振る舞いです。
候補者が少しでも意識を変えようとした瞬間を絶対に見逃しません。声のトーンが一段上がったり、表情に決意が宿ったりした瞬間に、「そう、それ!」「今の、すごくいい」とポジティブなフィードバックを返します。
「子どもが一番恐れるのは、𠮟られることそのものよりも、それによって『親に嫌われた』『見捨てられた』と感じることです。
だからこそ、フォローの最後には必ず『怒ったけれど、あなたのことが大好きなのは変わらないよ』『次から一緒に気をつけていこう』と、関係性が変わらないことを伝えてあげてください」
ついカッとなって怒鳴ってしまったとき、一番やってはいけないのは「なかったこと」にしたり、気まずさから距離を置いたりすることだと言います。
「落ち着いてからでいいので、後から必ず『さっきは強い言い方をしてごめんね。でも、どうしても伝えたかったことがある』と、対話の時間を持ち直しましょう。
『あなたが大事だからこそ、この危ない行動は放っておけなかった』『あなたの可能性を信じているから、今の態度はもったいないと感じて熱くなってしまった』など、言葉の鋭さの背景にある、願いや意図をきちんと伝えることで、それらは深い関心があることの表明に変わります」
「𠮟られてどんな気持ちだった?」と問う
「誠実な𠮟り方」の仕上げとして、亀山先生が提案するのが、「今、𠮟られてどんな気持ちだった?」と、子どもに問いかけることです。
これは単なる感想を聞く時間ではなく、子どもが自分の感情を言語化し、心の折り合いをつけるための大切なプロセスです。
「怖かった」と返ってきたら、「怖かったね。でも、それくらい真剣に伝えたかったんだよ」と受け止める。「納得いかない」と言われたら、「どの部分が納得いかないか教えて」と、さらなる対話を重ねることが大切だとか。
「自分の気持ちを否定されずに聞いてもらえたという経験は、『自分は一人の人間として対等に扱われている』という自尊心を育てます。
『𠮟られて、どんな気持ちだった?』と問うことは、子どもを子ども扱いせず、一人の人格として尊重しているという強力なメッセージになります。
この問いかけを習慣にすることで、子どもは𠮟られたショックから早く立ち直り、自分の行動を客観的に振り返る力を身につけていくのです」
対話を重ねる中で「実は……」と、子どもなりに事情があったことが判明するかもしれません。そんなとき、「そんなふうに言い訳しないの!」と突き放すのは禁物です。
「子どもの言い分にも耳を傾けながら、ダメなことはダメであることを理由とともにしっかり伝えます。その上で、同じようなことがあったときにどうするか、対策を一緒に考える。この『次はどうしようか』にたどりつくまで対話することも大切なポイントです」
厳しさの根底にある圧倒的な信頼と、対話の温度感。ちゃんみなが候補者たちとどのように向き合い、その言葉が彼女たちをどう変えていったのか。
番組『No No Girls』は現在もYouTubeで全編公開されています。亀山先生の視点をヒントに、ぜひその「誠実な対話」の瞬間を確かめてみてください。
取材・文/島影真奈美
全3回の2回目
1回目「ほめ言葉編」を読む。
3回目「母の背中編」を読む。※2026年3月21日よりリンク有効

島影 真奈美
介護ジャーナリスト。一般社団法人マリーゴールド理事、NPO法人タダカヨ理事。編集・ライター業の傍ら大学院に進学し、「老年学」を学び始めた矢先に、夫の両親の認知症が立て続けに発覚。現在も仕事×研究×介護の三つ巴生活を送る。介護分野の取材・執筆、プレ介護者・介護者向けのセミナー・講演を精力的に行う。 著書に『子育てとばして介護かよ』(KADOKAWA)、『親の介護がツラくなる前に知っておきたいこと』(WAVE出版)など。 Twitter @babakikaku_s
介護ジャーナリスト。一般社団法人マリーゴールド理事、NPO法人タダカヨ理事。編集・ライター業の傍ら大学院に進学し、「老年学」を学び始めた矢先に、夫の両親の認知症が立て続けに発覚。現在も仕事×研究×介護の三つ巴生活を送る。介護分野の取材・執筆、プレ介護者・介護者向けのセミナー・講演を精力的に行う。 著書に『子育てとばして介護かよ』(KADOKAWA)、『親の介護がツラくなる前に知っておきたいこと』(WAVE出版)など。 Twitter @babakikaku_s

































亀山 有香
25 年以上の臨床経験を持ち、訪問診療で約3000件以上の家庭を支援。外科医の夫とともに、24時間365日体制で宅療養を支える。病気の治療だけでなく、暮らしや家族の困りごとも含めて一緒にほどいていく医療を大切にしている。2児の母。 対話(ダイアローグ)を実践で学ぶコミュニティ「対話で支援を学ぶ会」主宰。国産ドライフルーツで「おいしい応援」を実践できる障がい者自立支援「レインボーカフェプロジェクト」の発起人及び理事を務める。 Facebook https://www.facebook.com/groups/1368127693617424 王様のおやつ https://rainbowpro.thebase.in/ note https://note.com/dr_rainbow
25 年以上の臨床経験を持ち、訪問診療で約3000件以上の家庭を支援。外科医の夫とともに、24時間365日体制で宅療養を支える。病気の治療だけでなく、暮らしや家族の困りごとも含めて一緒にほどいていく医療を大切にしている。2児の母。 対話(ダイアローグ)を実践で学ぶコミュニティ「対話で支援を学ぶ会」主宰。国産ドライフルーツで「おいしい応援」を実践できる障がい者自立支援「レインボーカフェプロジェクト」の発起人及び理事を務める。 Facebook https://www.facebook.com/groups/1368127693617424 王様のおやつ https://rainbowpro.thebase.in/ note https://note.com/dr_rainbow