もう宿題終わった? 光の色がよく見える「分光器」で自由研究!

100均素材で1日でできる【おそとで実験教室】理系脳が育つ科学の見方・あそび方を専門家が徹底解説

虹の帯の正体を「科学の目」で見てみると…

まずは光の色を決める「波長」のお話から…

手づくりの分光器で、きれいな虹の帯が見えたでしょうか? 

光は振動しながら進んでいるのですが、このとき、1回の振動で進む距離「波長(はちょう)」によって、色が決まっています。これを利用したのが、分光器です。

太陽光を分光器(おそと用)で見たようす。波長の長さ順に色がならんでいます。撮影:Yuchi

水滴やガラスなど、透明なものにあたって屈折した光が見えるのが、虹やプリズムの光です。色によって、光が屈折する角度がちがうことから、色が分かれて見えます。

これに対し、今回つくったCDの分光器は、ちがう仕組みで光を分けています(くわしい解説は次項で)。

自由研究に書けたらかっこいい! ちょっとむずかしい話

光がものにあたって反射するとき、水の波紋(はもん)のように、全方向に広がっていきます。ただ、その多くは打ち消し合い、消えてしまいます。でも、おそと用分光器の中で、光は下図のように分かれて進み、虹の帯を描きました。これはなぜでしょうか? 

おそと用分光器の中の光の進み方、作図:Yuchi

CDには細かく均等なみぞがあります。このみぞがあるために、一定の条件が合えば、光は進むことができるのです。その条件を見てみましょう。

下の図はCDの光る面(みぞがある面)に光があたったようすです。矢印は光が進む角度で、光の波の形を重ねています。点線の間がちょうど波長ひとつ分(山と谷ひとつ分)の長さです。

図Aは赤い光の反射です。みぞをはさんでとなり合った光をくらべると、きれいに山と谷がそろっています(点線内を見るとわかりやすい)。波の形がそろうと、光は強化されて進みます。つまり、色が見えるようになるのです。

波長の長い「赤」と、短い「紫」の光の進み方。点線間(山と谷ひとつ分)を見くらべて、となり合った光がそろっているか、ずれているか、見くらべてみよう。作図:Yuchi

同じ角度で「紫」を見てみましょう(図B)。紫の波長は短いので、山と谷がずれてしまいました。ずれた山と谷はお互いを打ち消し合い、光として進むことができません。つまり、消えてしまうのです。紫の色が見えるのは、図Cのように、山と谷がそろう角度が必要になります。

このように、虹の帯ができるのは、それぞれの色で、光の山と谷がそろう角度がちがうからなのです。

ここで、おそと用の分光器で虹の帯が2つ見えたことが気になる人もいるでしょう。これは、光の波の山と谷がそろうときが、1回だけではなく、2回、3回とくり返すことがあるからです。これはさらにむずかしいお話になるので、興味のある人は、高校生になったら物理を勉強してくださいね。

自然界には、分光器を使っている昆虫がいる!

今回つかったCDのように、細かい溝が均等にはいったものを「回折格子(かいせつこうし)」とよんでいます。DVDも同じように回折格子ですが、みぞがさらに細かいので、赤い色が見えにくくなります。分光器に使うときは、CDのほうがおすすめです。

この回折格子、自然界でも見られます。タマムシの前羽やモルフォ蝶の羽などが代表的です。キラキラ輝いて見える昆虫の秘密はこんなところにあったのですね。

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さいとう みのる

齋藤 実

理科教諭・理学修士

都内私立中高一貫校理科教諭/理学修士。1960年東京都生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業、同大学大学院相関理化学修士課程修了、同博士課程中退。 専門は、物性物理。「シンプルで原理がわかる実験」を心がけながら、理科教育に携わる。自身の子育て経験を通して、幼児からの「実験あそび」を考案。

都内私立中高一貫校理科教諭/理学修士。1960年東京都生まれ。東京大学教養学部基礎科学科卒業、同大学大学院相関理化学修士課程修了、同博士課程中退。 専門は、物性物理。「シンプルで原理がわかる実験」を心がけながら、理科教育に携わる。自身の子育て経験を通して、幼児からの「実験あそび」を考案。