「もう誰にも頼れない」正社員を目指した理由
翌年、ようやく認可保育園への転園が決まりました。住民税非課税世帯だったため保育料はかからず、経済的な負担は大きく減少。少しずつ、外食やお出かけを楽しむ余裕も生まれていきました。
認可保育園は朝7時から夜19時まで預けることができ、必要に応じて土曜日保育も利用できます。パートとして働き始めて1年が経ち、働くことにも慣れ始めていた私は、「このタイミングで正社員に挑戦したい」と考えるようになりました。
息子が幼いうちは、今の収入でもなんとかやっていけるかもしれない。でも、進学など将来のことを考えると、このままではきっと足りなくなる。そう感じるようになった背景には、元夫からの養育費が滞り始めていたこともありました。
「もう、誰にも頼らずに自立したい」
将来への不安と、「もう元夫には頼れない」という強い思いが、私を正社員への転職活動へと突き動かしていきました。
働くママの現実 30社応募して内定は2社
しかし、30代・未経験・シングルマザーの転職活動は、想像以上に険しいものでした。大手転職エージェントに登録したものの、紹介求人はほとんど届きません。求人サイトから自分で応募する方法も並行していましたが、これまでキャリアを積み上げてきていない私を雇ってくれる会社は、なかなか現れませんでした。
未経験OKの事務職や営業職に30社近く応募し、面接へ進めたのは約5社。最終面接まで進めたのは3社、内定は2社のみという結果でした。
面接では、「残業はどの程度できますか?」「お子さんが熱を出したときは誰か見てくれる人がいますか?」といった質問を受けることが少なくありませんでした。子どもがいて、しかもシングルマザーで実家も頼れないとなれば、「残業できない」と捉えられても仕方ないのかもしれません。
一方で、比較的新しい会社や若い経営者のなかには、子どもを育てながら働こうとしていることを前向きに受け止めてくれる人もいました。
「ママは簡単には辞めないと思う」
「守るものがある人は強いですよね」
そんな言葉をかけてもらったこともあります。すべての会社で不利に見られるわけではないのだと、少し救われた気持ちになりました。
ノンキャリア・無職・シングルマザーでも、正社員になれた。そんな達成感に浸っていた私ですが、その先に「魔の期間」が待っているなんて、まだ想像もしていなかったのです。
文/構成・橘サチ
※制度内容や条件は取材当時のもので、自治体によって異なる場合があります。
▶後編を読む ※2026年7月31日公開
▼「仕事の大切さ」子どもにどう話す?▼






























