【働くママの労働問題】パートだけど正社員と同じ仕事内容 待遇の差は会社に訴えてもいい?[社労士が回答]

働くママのお悩み解決 職場問題モヤモヤ相談室【連載】第10回 (2/2) 1ページ目に戻る

社会保険労務士、行政書士:小西 道代

「パートタイム・有期雇用労働法」では不合理な待遇差は禁止されています!

「パートタイム・有期雇用労働法」とは、パート・アルバイト・契約社員といった、パートタイム労働者と有期雇用労働者の「公正な待遇の実現」を目的とした法律です。同一労働同一賃金などの原則が知られています。

パートなのに、正社員と同じ責任・職務を担っているにもかかわらず、賞与や手当、福利厚生、教育訓練などに正社員と格差がある場合は、会社に説明と改善を求めることができます。

明らかな待遇差があった場合は、まずは総務部、人事部に相談してみましょう。

会社は、就業規則や賃金規定などの資料を見せながら口頭で説明することが望ましいとされているので、申し入れ後、引き続き正社員と同じ責任・職務を担うのであれば、説明や賃金の改善等が行われるはずです。

また、ここで訴えた本人が、子育てと仕事の両立のためにパートの責任範囲と職務を希望し、会社側も本来の仕事量に減らした場合は、待遇差の改善は見込めません。

─働くママの声への回答─

パート・アルバイト・契約社員には「パートタイム・有期雇用労働法」がある。
正社員と同じ責任・職務を担っているにもかかわらず、賞与や手当、福利厚生、教育訓練などに正社員と格差がある場合は、会社に説明と改善を求めることができる。

産休・育休明けは待遇トラブルが起きやすい!?

産休は雇用形態にかかわらず取得でき、育休は条件を満たせばパート・アルバイト・契約社員でも取得できる制度です。

産休・育休明けの働き方として、時短勤務を選ぶ方は多いものですが、休み明けの勤務形態の変更を機に不利益な扱いが行われることがあるので注意しましょう。

時短勤務なので時間に応じた減額は相応ですが、休みを取る前と責任・職務が変わらないにもかかわらず、それ以上に基本給が下げられるケースが発生しています。

子どもがいて職場に迷惑をかけるから……と、待遇に対して我慢する方もいますが、ここは「公正な待遇」を求めていいところです。会社に説明と改善を求めましょう。

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こにし みちよ

小西 道代

Mishiyo Konishi
社会保険労務士、行政書士

社会保険労務士法人トップアンドコア代表。行政書士法人グローアップ代表。All About労務管理ガイド。大学卒業後に日本マクドナルドに入社。多数の店舗運営を行い、幅広い年齢層の人々と一緒に働くことで労務管理・組織運営に興味を持つ。その後、法律事務所や社会保険労務士事務所に勤務。カフェ経営も経験し、労働者と経営者の両視点を養い、働く場には風通しのよい労働環境や組織づくり、ルールが重要だと痛感する。現在は正社員から派遣社員、アルバイト、経営者の広い視点を活かした労務相談を行っており、事案のアドバイスだけでなく解決へも導いている。 著書に『正社員で働く人のための労務問題のトリセツ』(つちや書店)がある。

社会保険労務士法人トップアンドコア代表。行政書士法人グローアップ代表。All About労務管理ガイド。大学卒業後に日本マクドナルドに入社。多数の店舗運営を行い、幅広い年齢層の人々と一緒に働くことで労務管理・組織運営に興味を持つ。その後、法律事務所や社会保険労務士事務所に勤務。カフェ経営も経験し、労働者と経営者の両視点を養い、働く場には風通しのよい労働環境や組織づくり、ルールが重要だと痛感する。現在は正社員から派遣社員、アルバイト、経営者の広い視点を活かした労務相談を行っており、事案のアドバイスだけでなく解決へも導いている。 著書に『正社員で働く人のための労務問題のトリセツ』(つちや書店)がある。