
読書感想文が苦手な子どもを「ふせんとメモ」が助ける 2週間で完成「親子インタビュー式読書感想文」を実践!〔文章力養成講座の専門家〕が伝授
「親子インタビュー式読書感想文」松嶋有香さんが解説⑤ 教材:課題図書『ぼくの色、見つけた!』
2025.07.14
ゆか先生:ふせんは、どんなものでもだいじょうぶです。小さいとメモが書きづらいので、低学年のお子さんには、75mm×75mmの正方形のものがおすすめです。
今はいろんな形や色のふせんがたくさんあるので、読書が嫌いなお子さんは、100円ショップなどでお気に入りのふせんを自分で選んでもらうのも、本を好きになる良い手だと思います。
──シールと同じで子どもは貼ることが好きなので「好きなだけ貼っていいよ」というと、テンションがあがりそうですね。でもあまりたくさんだと、後で整理するのが大変だと思います。何枚くらい貼ればいいでしょうか?
ゆか先生:過去に講座を受けた方の感想から、ふせんの貼り方についてピックアップして紹介しましょう。
親A
最初のうちは1ページに何枚も貼っていて、要点をしぼりながら読めていないのかもしれないと不安になりましたが、後半は減りました。読み進めて行くうちに、感動の基準が分かったんだと思います。
親B
前半は多かったのですが、後半は少なくなってきました。最初は楽しくてわくわくしながら貼っていたように見えました。
親C
最初、たくさん貼っていましたが、どんなふうに感動したか、どの文が気になったか、ちょっとメモ書きしてみてと話したら、自分で厳選して、少し減った感じでした。
ゆか先生:このように、最初は多かったけれど、後半は少なくなったという意見が圧倒的でした。親が口出しせずとも、子どもは自分で実験を繰り返し、コントロールする力を身につけていきます。最初から「多すぎない?」「少なすぎ!」などと口を出すと、せっかくの体験を子どもから奪ってしまうことになります。ので、いったんタイパ、コスパを忘れて、子どもに任せてください。
また、ふせんが多くて減らせないような場合もあると思います。その時は、読み終えてから、もう一度振り返る時に、親の目線から見て、似たような感情やひっかかりを感じたら、同じようなシーンの中で代表となるシーンを決められるように、子どもと相談してみてください。この時も「子どもが選んだシーンを絶対に否定しないこと」を守りましょう。
感想メモはふせん3〜4枚あればOK
ゆか先生:シーンとしては、3つぐらいに絞ると書きやすくなります。どうしても絞りきれず、何カ所か同じ感情だったというような場合は、そのふせん紙に共通の記号をつけても良いでしょう。
低学年の場合は、そもそも全体の文字数が少ないですし、ふせんを増やす、減らすの感覚もまだつかめません。そのような時は、親が手伝ってあげましょう。この場合も、先回りせず、一緒に本の中を歩いている友達のようなつもりで、言葉を探してあげると良いでしょう。
そして、本から剥がす前に、そのふせん紙にページ番号を振ってください。あとで、本文を読み直すときに便利です。

ゆか先生:メモの書き方を覚えたら、子どもが本を読み終わるまで、親はのんびり待っていましょう。計画通りに読み進められなくても急かさずに見守り、子どもが「読み終わったよ」と声をかけてくれるのを待ちます。(ここが親の試練かも!?)
子どもが本を読み終わって感想メモができたら、次のステップで「感想メモ」の整理と、子どもへのインタビューを行います。ここが「親子インタビュー式読書感想文の書き方」の肝。ぐっと深い親子ワールドに突入しますので、一息ついたときのお楽しみになるような、子どもが大好きなおかしや飲み物を用意しておくといいですよ。
松嶋 有香
静岡大学教育学部卒。海外にも教室がある大手塾の講師を経た後、教育支援業と執筆業を開業。文章指導歴は35年というベテラン講師。またライターとして、自身の教室の他、いろいろなプロジェクトで「書くこと」を担当。言葉、子育て系、国語系の記事やコラム、クラファンの広報文などを手がける。地域未来塾、不登校支援のほか、バンド活動も行っている。 オフィシャルサイト 文章力養成コーチ ゆか先生の「書きまくるトレーニング」
静岡大学教育学部卒。海外にも教室がある大手塾の講師を経た後、教育支援業と執筆業を開業。文章指導歴は35年というベテラン講師。またライターとして、自身の教室の他、いろいろなプロジェクトで「書くこと」を担当。言葉、子育て系、国語系の記事やコラム、クラファンの広報文などを手がける。地域未来塾、不登校支援のほか、バンド活動も行っている。 オフィシャルサイト 文章力養成コーチ ゆか先生の「書きまくるトレーニング」