
仙台・ろりぽっぷ小学校【学びの多様化学校】対幼児教育の知見を活かした、子どもが生き生きと学ぶ環境とは
不登校の子どもの新たな学びの選択肢「学びの多様化学校」 #6 (4/4) 1ページ目に戻る
2026.05.14
「やりたい」の中に学びが詰まっている
──4~5時間目に書かれている「ワールドオリエンテーション」の時間はどんなことをするのですか?
髙橋先生:子ども自身の興味関心を出発点とした「探究学習」に教科の学びを連動させています。昨年は6年生が自分たちで一から修学旅行を作り上げました。
行き先や、宿泊するホテル、交通手段、経費、朝ごはんのメニューまですべて6年生が調べ、相談しながら決めていきました。宿泊に不安を抱えている子もいましたし、意見がぶつかることもありました。当日もいろんなトラブルに見舞われましたが、そのたびに子どもたち自身が支え合い、寄り添い合う姿が見られて本当に素晴らしい旅になりました。
髙橋先生:衆院選のニュースが飛び交う期間中には、学校でも選挙がしたいという5年生の提案で、1週間限定任期の校長を選ぶ選挙が行われました。教員や保護者が立候補して、選挙管理委員会が投票所も設置して、かなり本格的でした!
高橋先生:ちなみに私は保守派として「今の善きものを守る!」を公約に立候補したのですが、「毎日5時間目に火起こしをして、マシュマロを食べる」という公約を掲げた教員に負けてしまいました(笑)。
この選挙で、自分の投票によって何かが変わるということを、みんなが実感できたのではないかと思います。
ワールドオリエンテーションの時間は、活動を進める過程で、社会や理科、算数、国語など各教科も横断的に学ぶことになります。教科が先にあって時間割りを決められるのではなく、「今日、何やろう」と自分で考えるところから始まるのが楽しいみたいですね。
手や口を極力出さず、子どもの育ちを「見守る」
髙橋先生:保護者との連携も欠かせません。アプリを使って学校での様子を共有したり、月1回開催している茶話会(自由参加)で、情報交換や学習会を行い、二人三脚で子どもを見ていくようにしています。
子どもたち同士のトラブルは日常茶飯事ですが、私たちはそれも仲が深まったり成長するきっかけになると考えています。トラブルになりそうだから止めるのではなく、関係性を把握しつつも口を出さずに見守る。
何かチャレンジしようとしていて「失敗しそうだな」というときも、あえて手を出さない。「子どものために」というのが、実は大きなお世話ということはよくあるんですよね。
大人が考える正義や正解、価値観に子どもたちを閉じ込めるのではなく、子どもたち同士で解決したり、安心して挑戦し、失敗から学ぶチャンスを奪わないことを大切にしています。
髙橋先生:学力は学びたいと思ったときにいくらでも取り戻せますが、体験は今、このときしかできません。
卒業式の少し前に、「不登校になってよかった。ろりぽっぷ小学校に通えたから」と言った子がいました。どんな経験も無駄にはならないし、全てが何かにつながっている。これからも、子どもたち一人ひとりが自分らしく輝くために、今しかできない経験作りを大切にしていきたいと思います。
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自由に遊びながら学ぶ幼稚園や保育園での生活から、45分間座って一斉に学習する小学校生活への切り替えに戸惑う子は少なくありません。そんな子どもたちにとって、対話から遊びが生まれ、遊びが学びに発展するイエナプランの活動サイクルは、とても自然な学び方なのだと感じました。何かを「やりたい!」、だから「学ぶ」。
「学ぶ」ばかりに目を向けるのではなく、「やりたい!」気持ちを生み出す環境を整えることが大切だと教えてもらいました。
取材・文/北京子
ろりぽっぷ小学校
住所:宮城県仙台市太白区坪沼長田中9‐1
電話:022-395-9613
https://www.lollipop.ed.jp/primary_school
学びの多様化学校連載はこちら↓
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北 京子
フリーライター。 藤沢市在住。食の月刊誌の編集者を経て独立。食を中心に、SDGs、防災、農業などに関する取材・執筆を行う。 3児の母。自然の中で遊ぶこと、体を動かすこと、愛犬とたわむれることが好き。
フリーライター。 藤沢市在住。食の月刊誌の編集者を経て独立。食を中心に、SDGs、防災、農業などに関する取材・執筆を行う。 3児の母。自然の中で遊ぶこと、体を動かすこと、愛犬とたわむれることが好き。