子どもに寄り添い続けるために教員が必要とする「時間の余白」
──一人ひとりに応じた関わりを続けるために、大切にしていることはありますか。
星校長:本校では、子どもたちが来る前に、その日の様子や前日の小さな変化を共有しています。朝は、急用がなければ職員全員で子どもたちを迎え、帰りも市民バスのバス停まで見送ります。
──それは、子どもたちにとってもうれしい時間になっていそうですね。
星校長:そうですね。本校は、子どもたちが学校に来ることを当たり前としない、「学校らしくない学校」でありたいと考えています。
本校は、部活動がないため、子どもたちが帰った後にも、先生たちで話し合う時間があります。「こんな声かけがよかった」「次はどう関わろうか」と共有や相談をしながら、翌日を迎えています。
半沢教育長:学校現場では今、子どもに向き合うための「余白」を生み出すことが難しくなっています。子どもの小さな変化に気づき、「次はどう声をかけようか」と考える時間があってこそ、より質の高い教育につながるのではないでしょうか。
白石きぼう学園が子どもや保護者に寄り添えているとすれば、市内のほかの学校と比べて、そうした余白を確保しやすい環境にあることも大きいと思います。
変化する子どもと保護者の姿とその先に見える「学校の大きな力」
──子どもたちや保護者には、どのような変化が見られていますか。
半沢教育長:2023年4月の開校から3年間で、25人の卒業生を送り出しました。最初の年は、夏休み前まで「高校に行きたい」と言う中学3年生が一人もいませんでした。それが先生や仲間とのかかわりのなかで少しずつ変わり、最終的には全員が志望する高校へ進みました。
保護者の変化も大きいと感じています。入学前には、学校に不信感や強い思いを抱いていた方もいたと思います。その気持ちは痛いほどわかります。けれど子どもが通い、少しずつ変化していく姿を見て、今は学校や先生への感謝の言葉をいただくことが増えました。
半沢教育長:不登校は、子ども本人も保護者も孤立しがちです。学びの多様化学校だけが答えではありません。教育支援センターなども含め、さまざまな場所や人の力を借りながら、その子と家庭に合う一歩を踏み出してほしいと思います。
星校長:一歩踏み出した先で、学力や社会性、人との関わりをもう一度作っていけることも、「学校の大きな力」だと私は信じています。
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最後に星校長が語った「学校の大きな力」を、白石きぼう学園は子どもたち一人ひとりとの日々の関わりのなかで形にしようとしていました。
取材・文/山田優子
白石市立白石南小学校・白石南中学校
(通称・白石きぼう学園)
住所:宮城県白石市越河平字平合23番地1
電話:0224-28-2013
https://sites.google.com/gs.myswan.ed.jp/shiroishikibou2023
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山田 優子
フリーライター。神奈川出身。1980年生まれ。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、拠点を大阪に移し、さまざまな業界を経て、2018年にフリーランスへ転向。 現在は、ビジネス系の取材記事制作を中心に活動中。1児の母。
フリーライター。神奈川出身。1980年生まれ。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、拠点を大阪に移し、さまざまな業界を経て、2018年にフリーランスへ転向。 現在は、ビジネス系の取材記事制作を中心に活動中。1児の母。