【わが子の不登校】多様化する「フリースクール選び」で大切な5つの判断基準[教育ジャーナリストが解説]

特別公開『フリースクールという選択』おおたとしまさ著 3/4(全4回) (3/3) 1ページ目に戻る

教育ジャーナリスト:おおたとしまさ

チェーン店のようなフリースクールは経営的に安定していますし、看板に見合った一定のクオリティが期待できる一方で、融通が利かなかったり、マニュアル的だったりします。

会社の人事異動で割り振られただけで、不登校当事者に寄り添ったり自由な学びを追究したりすることには関心のないひとが現場を担当している可能性もあります。

また、大規模な組織ではとりあえずいろいろなコンテンツを用意して子どもたちに選ばせる形になりやすいですが、小規模な組織では限られたお金や時間や人員をどう使うべきかを子どもたちと話し合って決めること自体が教育の一環になっている傾向があります。

④ 個別↔集団

少人数が落ち着くという子どももいますし、大人数でいろいろなタイプの子どもがいるほうが楽しい子どももいます。完全にマンツーマンのフリースクールもあります。

いっしょに学ぶ子どもたちの年齢幅も意識してみましょう。

年の近い子ども同士だからこそ盛り上がる話題もありますし、小さい子が大きい子に憧れて頑張る場合もありますし、し、小さい子がいてくれることで大きい子が頼られる役を引き受け、精神的自立が促される場合もあります。

他者との距離感でいえば、オンラインという距離感が新しい選択肢です。家を出ることができなくても、オンラインならひととつながれるという子どもがいます。オンラインフリースクールについては本書第3章で紹介しています。

⑤ 中継型↔継続型

元気になって学びの意欲があふれてきたら、別のもっと活動的なフリースクールに移ってもらってもいいし、学校に戻ってくれてもいいし、中学進学や高校進学の段階で一般的なルートに戻ってもらってもいいというスタンスのフリースクールか、なんなら自分たちは一般的な学校よりも優れた教育をしている自信があるから、傷ついた羽が癒えたとしてもこのままいっしょに学び続けて大人になろうというスタンスのフリースクールか。

フリースクール全体ではほとんど前者ですが、オルタナティブスクールを自称するフリースクールは基本的に後者です。オルタナティブスクールは本書第4章で紹介しています。

【編集部より】
これら「5つの補助線」を念頭におきフリースクールを探してみると、各校の特徴が驚くほど明確に見えてくるはずです。

新刊『フリースクールという選択』(講談社+α新書)では、多種多様な約20校を著者・おおた氏がルポ。運営側の葛藤や失敗まで迫り、フリースクールのリアルがよくわかります。

「良い場所を少しでも早く見つけなくては!」と焦りすぎず、まずは肩の力を抜いて、その場所の空気を感じとることが、わが子にとって安心できる場を見つける一歩になるかもしれません。

おおたとしまさPROFILE
教育ジャーナリスト。1973年東京生まれ。リクルートから独立後、教育に関してさまざまな観点から取材を行い、著書は90冊以上。どこの組織にも属さない在野の視点で現代の教育への考察・提言を続けている。メディアへの出演や講演も多数。

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『フリースクールという選択』(講談社+α新書)刊行。
お子さんの「学び」「居場所」の新しい選択肢。多様化するフリースクールの理想と現実をルポしました。

フリースクールという選択

フリースクールという選択

おおたとしまさ(著)

発売日:2026/05/11

価格:定価:本体1200円(税別)

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おおたとしまさ

おおたとしまさ

教育ジャーナリスト

1973年、東京都出身。教育ジャーナリスト。麻布中学・高校卒業。東京外国語大学英米語学科中退。上智大学英語学科卒業。97年、リクルート入社。雑誌編集に携わり2005年に独立後、教育をテーマにさまざまな取材・執筆を続けている。中高の教員免許、小学校での教員経験、心理カウンセラーとしての活動経験もある。 主な著書に『勇者たちの中学受験』、『子育ての「選択」大全』、『不登校でも学べる』、『ルポ名門校―「進学校」との違いは何か?』、『なぜ中学受験するのか?』など80冊以上。

1973年、東京都出身。教育ジャーナリスト。麻布中学・高校卒業。東京外国語大学英米語学科中退。上智大学英語学科卒業。97年、リクルート入社。雑誌編集に携わり2005年に独立後、教育をテーマにさまざまな取材・執筆を続けている。中高の教員免許、小学校での教員経験、心理カウンセラーとしての活動経験もある。 主な著書に『勇者たちの中学受験』、『子育ての「選択」大全』、『不登校でも学べる』、『ルポ名門校―「進学校」との違いは何か?』、『なぜ中学受験するのか?』など80冊以上。