
【中学受験】「社会科」で大成する子は低学年時の「親子での買い物」にあった! 入塾希望者増の注目の中学専門塾代表が解説
「ジーニアス」松本亘正先生に聞く社会の勉強法 #1 ~低学年編~
2025.05.06
中学受験専門塾「ジーニアス」代表:松本 亘正
子どもとスーパーでの会話が「社会」の勉強になる理由
──中学受験の科目のなかで、意外にその勉強法について語られていることが少ないと感じる社会について、今日はいろいろな角度から質問させてください。
まず幼少期、そして小学校低学年の時期に、「社会が得意な子」を育てるために親ができることはありますか?
松本亘正先生(以下松本先生):社会は生活に根差した身近な科目ですから、「あ、それ知っている!」とか、「聞いたことあるな」「行ったことあるな」ということが有利になります。だから、お子さんが小さいときにできることはたくさんありますよ。
──なるほど、生活のなかに学びの種がたくさんあるイメージですね。幼少期から自然や遊びのなかでさまざま見聞きしたほうがいい、とはよく言われることですが、社会もそれが有効ということですか?
松本先生:はい。ただ、ひとつ注意したいのは、iPadやスマホなどのデジタルデバイスで動画を見せることよりも、見聞きしたり、触ったり、食べたりした、実際の「体験」から入ってきたリアルな記憶のほうが、後に塾で勉強したことと結びつきやすいですね。
例えば、家族で沖縄に行ったとき、2泊3日のうち、半日だけ首里城に寄ってみる。欲張ってあれもこれも学習に結び付けなくても大丈夫です。「沖縄と言えば首里城だね!」と、記憶に残れば、塾で学んだときに、沖縄の位置や気候など、周辺知識も答えられるようになります。
小学生はそれで充分なんですよ。これだけのことで自己肯定感が高まりますし、社会という科目が好きになるきっかけにもなりますから。

──日常生活でもできることはありますか?
松本先生:ありますよ! 例えば、昨日も4年生に授業をしましたが、『みんながおうちで食べているお米の銘柄はなに?』と聞くと、即答できる子とまったく知らない子と半々でした。「銘柄ってなんだ?」という子もいるし、「新潟産のこしひかり!」と即答する子もいます。地理の勉強で、どちらが米どころについてすんなりと学べるかは明白ですよね。
他にも、牛肉は国産とアメリカ産、オーストラリア産が並んでいるとか、養殖サーモンにはチリ産とノルウェー産が多いとか、知っているだけで輸出入の勉強がしやすくなります。
そういうことは、日ごろスーパーに一緒に買い物に行き、会話をしているかどうかというだけ。ぜひこれから意識してみてください。
──つい「忙しいから」と、スーパーはさっと母だけで行ったり、子どもをお菓子コーナーに誘導してさっと買い物したり、となりがちな自分を反省しました。
松本先生:幼少期や低学年だけじゃなく、高学年でも遅くはありません。無理なく、生活のなかで取り入れてみてください。ふるさと納税の返礼品についても一緒に探してみるといいかもしれませんね。ご当地名物、産地など、学びの宝庫ですからね。