【中学受験】の課金レースに終止符! 家庭教師が説く「子の学力を伸ばす親」の復習・環境・声かけ〔3つの極意〕

【中受伴走】家庭教師・小堀正博先生に聞く、家庭教師や塾に頼れないときの勉強法 〈後編〉 (2/3) 1ページ目に戻る

教育ジャーナリスト:佐野 倫子

ひとつの教材を繰り返しやり込む

すべての画像を見る(全6枚)

──中学受験で惜しみなく教育費を投じる様子を「課金レース」などと揶揄する声がある一方で、経済的に塾や家庭教師を続けるのが難しいというご家庭もあります。家庭で実践できる勉強方法について教えてください。

小堀正博先生(以下小堀先生):ゆるぎない基礎力をつけるために大切なのは「復習を徹底する」ことです。私のおすすめはとにかく1つの教材を繰り返すこと。新しい教材を次々に買う必要はありません。

基礎的な段階において、算数や理科、社会は、同じ教材をやり込み、完璧にすることはとても効果的です。

国語だけは例外で、さまざまな文章に触れる経験が必要ですが、それ以外の科目はむしろ教材を「広げすぎない」ほうが伸びると感じています。

──確かに、我が家の場合も、あやふやなまま雑にテキストで演習を終わらせたときが、一番成績が落ちた記憶があります。焦って手を広げすぎず、丁寧に学習をしたほうがいいですね。

小堀先生:私はそう考えています。また、もう一つ大事なのは、成績が思うように上がらないときは勇気をもって演習レベルを下げるのがおすすめです。

苦手な科目は、1学年下の教材を使ってもいいんです。保護者の方はそれを「マイナス」ととらえないでください。易しく感じられる問題こそ、確実にしっかり解けるようになれば、基礎力養成に効果的なため、のちの伸びにつながりますから。

──周囲で最後にお子さんがぐっと伸びたご家庭は、6年生の前期に5年生のテキストを復習した、などの基礎回帰をジャンプ台にしていたパターンでした。そこで「いまさらそんな昔のテキストを……!?」などと思わず、弱点に正面から取り組んだのが勝因ですね。

保護者のサポートの極意は「できているところ」を見つける

31 件