ムーミンファン必見!「ムーミンやしき」に込められたトーベ・ヤンソンの想いと北欧フィンランドの素敵な文化
ムーミンファンなら知っておきたい、ムーミン谷のシンボル「ムーミンやしき」や北欧の暮らしについて
2024.07.29
ライター:内山 さつき
今日はムーミンたちが暮らす、「ムーミンやしき」に注目してみましょう。
ムーミンやしきの扉には、いつも鍵がかかっていません。ムーミンパパとムーミンママは、どんな人でも食卓に招き入れ、寝心地のよいベッドを用意してくれるのです。
「そんなわけで、ムーミンやしきはいつもにぎやかでした。
だれでも好きにやっていましたし、明日のことなんかちっとも気にかけません。
ちょいちょい、思いがけないこまったことが起こりましたが、そのおかげで、退屈することもありませんでした」
『たのしいムーミン一家』(トーベ・ヤンソン/作 山室静/訳 講談社)より
ムーミンやしきのモデルは灯台!?
そしてムーミンやしきの塔のような形は、確かに少し灯台に似ていますね。この灯台は、今はかつての形をとどめていませんが、地元の人々によって大切に保存されています。
ムーミンやしきの中に感じるフィンランド
また、寒い冬の間、冬眠に入るムーミンたちが眠りに落ちる前、埃よけの覆いをかけるシャンデリアや、挿絵に描かれている大きな柱時計などのインテリアも、フィンランドの古い邸宅や博物館ではよく目にするものです。ムーミンやしきの中に、フィンランドの文化と伝統を感じる瞬間でもありますね。
『「コーヒーなしで、どうしたらいいんだ!」
ムーミントロールがさけぶと、スナフキンがいいました。
「パンケーキを食べるのさ」
そこで三人は火をおこして小さなパンケーキを作り、焼けたそばから食べていきました。
これが、パンケーキの正しい食べ方なのですよ』
『ムーミン谷の彗星』(トーベ・ヤンソン/作 下村隆一/訳 講談社)より
ムーミンの物語では、手に汗を握るような大冒険も、日々の日常に時折巡りくる楽しい出来事も、同じように丁寧に魅力的に描かれています。それはまるで子どものころの夏休みの思い出のように、輝きを失うことはありません。
そして、冒険もパーティーも、それが終わったときにムーミンたちがまた帰っていくのは、自分の居場所であり、心から安心できる場所。つまり自分の家である、ムーミンやしきなのです。
“ムーミンやしき”を絵本で楽しむ!
また、灯台の形をした『In the...LIGHTHOUSE ムーミンパパのとうだいへようこそ!』(講談社)も同時発売。どちらもお部屋のインテリアとして飾りたくなるデザイン。2冊それぞれ楽しんでみてください。
内山 さつき
ライター、編集者。旅・物語・北欧をテーマに雑誌や書籍で執筆・編集を行っている。著書に『とっておきのフィンランド』『フィンランドでかなえる100の夢』(共にGakken)。 北欧・フィンランドに関わるものでは特にトーベ・ヤンソンとムーミンに関わる書籍や展覧会、翻訳などの仕事も手がけている 。 Instagram @satsuki_uchiyama
ライター、編集者。旅・物語・北欧をテーマに雑誌や書籍で執筆・編集を行っている。著書に『とっておきのフィンランド』『フィンランドでかなえる100の夢』(共にGakken)。 北欧・フィンランドに関わるものでは特にトーベ・ヤンソンとムーミンに関わる書籍や展覧会、翻訳などの仕事も手がけている 。 Instagram @satsuki_uchiyama