2022.06.23

ブックマーク

【悩んでいるパパママ必読】別居・離婚の子どもへの影響をどう考えるか

社会福祉士・小森雅子氏「大離婚時代の子どものメンタルケア」#1〜別居・離婚を考えたら編〜

「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」理事・社会福祉士:小森 雅子

親が別居や離婚に悩むとき、外せないのが子どもの幸せ問題。親がケアすべき点はどんなところなのか話を聞きました。 写真:アフロ

厚生労働省の統計(※1)よると、2020年は年間52万5507件の婚姻件数に対し、離婚件数は年間19万3253件。「夫婦の3組に1組は離婚」する傾向は、続いています。
※1=「令和2年(2020年)人口動態統計(確定数)の概況」

その中でも、未成年の子どもがいる夫婦の離婚(※2・3)は、11万1335件と、離婚件数の約6割に。また、親が離婚した未成年の子どもの数は19万4129人。

ここ数年では、婚姻・離婚件数の減少に伴い減ってきているものの、親が離婚した未成年の子どもは毎年20万人ずつ生じており、未成年人口1000人に対する割合は1980年に比べれば、約2倍に増えています。

※2=年次別にみた夫妻が親権を行う子の数別離婚件数及び百分率・親が離婚した未成年の子数及び率(未成年人口千対)
※3=内閣府男女共同参画局「結婚と家族をめぐる基礎データ」

このデータからも離婚へのハードルは低くなってきたことがわかります。とはいえ、別居や離婚を考えている親としては、子どもにどんな影響を与えるのか、不安は尽きないでしょう。

そんな親たちの気持ちに、支援団体はどのように寄り添っているのでしょうか。

NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」理事で社会福祉士の小森雅子さんに聞きました。第1回目は、別居や離婚を検討している親が、知っておいてほしいこと、心がけておいてほしいことを中心に伺います。

親の喧嘩やDVで子どもはすでに傷ついている

「ひとり親の子どもはかわいそう」「子どものために離婚はしない」――こうした言葉は令和の今でも耳にします。

実際、私が理事をしているNPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむにも「DVに悩み離婚を考えているが、子どもにストレスがかかりそうで踏み切れない」「周囲から『子どもに悪影響だ』と離婚を反対されている」といった相談が少なからず寄せられます。

離婚後の影響を心配される気持ちはよくわかります。ただ、まず気にかけていただきたいのは、離婚後のことより、今現在の子どもの気持ちです。

具体的にいえば、子どもは両親の不仲や緊張状態によって心を痛め、ストレスを感じている可能性があります。実はこのことこそ、一番気にすべき問題で、子どもへの配慮が必要なことです。

「面前(めんぜん)DV」という言葉をご存じでしょうか。どちらかの親がもう一方の親に身体的暴力をふるったり、暴言を吐いたりする行為を子どもに見せることで、これは心理的虐待の一つと言われています。

もちろん、子どもの前で喧嘩をしない、離婚の話をしない、ということはどの親御さんも気をつけていると思います。そこで、子どもが寝た後に話し合いをする夫婦も多いでしょう。

ただ、そこでヒートアップして大喧嘩に発展することもあるので、できれば、子どもが幼稚園や保育園、学校に行っている間や、親族などに預けている間など、子どもが絶対にいない場所で話し合いを行うようにしましょう。

子どもが両親の喧嘩の声で目が覚め、罵(ののし)り合う親の様子や喧嘩の内容に大きなショックを受けたり、不安で悲しくて眠れない……ということもあるようです。

そうでなくても、やはり子どもにはどうしても両親の不仲は、雰囲気で伝わってしまいます。無視、口を利かない冷戦状態、家庭内別居、夫婦間のDVに及んでいれば、なおさらです。

子どもに直接暴力が及んでいなかったとしても、子どもは精神的につらい思いをしていることを忘れないでいてください。

子どもに夫婦喧嘩を見られてしまったら

では、もし、子どもに両親の喧嘩を見られてしまったら。子どもが両親の不仲に気が付いていたら――? 

まずは、「あなたのせいではない」としっかり伝えること。幼少期の子どもは、何事に対しても、「自分のせいでこうなったんじゃないか」と思う傾向があるといいます。

親の離婚が子どもと関係ないことでも、「自分のせいでパパとママは喧嘩しているんだ」と思ってしまうのが子どもです。本人がそういう気持ちにならないように、「パパとママが喧嘩していたのは、あなたのせいではない」と、きちんと話しておくことはとても大事です。

「パパ(ママ)がこんなこと言うんだけどどう思う?」「パパとママ、どっちが好き?」「パパとママ、どっちにつく?」などと、子どもを自分の方に引き込もうとすること、子どもに判断を迫ることは、子どもを苦しめてしまうことがあります。

たとえどちらかが好きでどちらかが嫌いであっても、それを子どもに言わせるのは、ストレスです。離婚を考えるほど不仲になっている状態では、夫婦で話し合いも難しいかもしれませんが、できればこうした意識は夫婦間で共有しておきたいものです。

子どものメンタルを注意深く見る

以上を踏まえ、まずは別居や離婚を考え始めたら、子どもにどういうストレスがかかっているのか、気にかけてみてください。

表面的に変化が見えなかったとしても、両親の喧嘩や、片方の親が落ち込んでいる様子を見るのは子どもにとってストレスなのは間違いありません。

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