モンテッソーリ保育園を選んだ絵本作家の 子どもが好きな絵本3冊!
ただいま絶賛子育て中 きいてみよう! 絵本作家のえほんばこ〜コンノ ユキミさん〜
子どもたちを見ていて思うのは、物が散らかっていることも、きっと彼らは楽しいんだろうなってことなんです。
バラバラ~としているのも好きで、でも“ぴたっ”と物がおさまっているのも気持ちいい。だから「バラバラ~」も「ピタッ!」も、両方、楽しい呪文みたいになればいいなと思いました。
たとえば、せっかく遊んでいるのに、「かたづけなさい!」と怒られたら、誰だっていやな気分になって、かたづけたくなくなりますよね。
でも「『バラバラ~ピタッ!』しようか」と声をかけたら、一緒に「バラバラ~」から「ピタッ!」への〈おかたづけ〉も楽しめるのではないでしょうか。
わが家でも「『バラバラ~ピタッ!』しようか」と声をかけたりします。今はもう息子が7歳、娘が4歳で、いろんなことができるようになりました。
“自分のもの”をかたづけられるスペースづくり。子どもにとって“自分のもの”は嬉しいものですよね。それを自分自身が管理できるって、子どもの自立心にもすごく大切なことだと思います。
そのためには、物がたくさんありすぎないほうがいいんじゃないかな。大人だって、物がいっぱいだと「どこから手をつけたらいいんだろう」と混乱しますよね。
わが家では〈おかたづけ〉のためにいくつか箱を用意していますが、全部箱に入れずに、お気に入りのおもちゃは箱の外に置いてもいいということにしています。
とにかく大切なのは、ぎゅうぎゅうじゃないこと。ぎゅうぎゅうだと、どこに何があるのかわからないし、出し入れが難しいですよね。
定位置さえ決まって、置き場所にゆとりがあれば、ぽんと置いてあるだけでも、意外とかたづいているように見えるものなんですよ。
子どもが大事なものは「かたづけなさい」と言わずに、飾ってあげる。ただ〈おかたづけ〉のためのスペースを確保してあげるよう、大人は心がけたらいいんじゃないかな……と思います。
おもちゃは箱に入れて収納。飾りたいものは箱に入れずに飾っています。
わが家のもうひとつの工夫は、玄関脇にロッカースペースをつくって、子どももそれぞれ自分で管理できるようにしていることです。
うちは私と夫、子ども2人の4人家族。ロッカーは4つあり、それぞれ棚は可動式なので、小さな娘も、身長に合わせた棚の高さで、コートやリュックなど、帰ってきたときに置きやすいようにしています。
いろんな「バラバラ」と「ピタッ!」を描いた『バラバラピタッ!』ですが、「“ぴたっ”として気持ちよく終わるのは何だろう?」と考えて、大人の手と子どもの手の「ピタッ」、そしてママとにっこり笑ってくっついて「ピタッ」と終わることにしました。
手をあわせるのは“やったね”というハイタッチにも見えて、読んでいるお子さんにとっては、 “受け入れられた”安心感や達成感が感じられるかもしれないですね。
はじめての絵本づくりはすごく難しかったです。自分のどんな思いを絵本にしてみなさんに手渡したいのか、たくさん悩みました。同時に、やりがいやおもしろさも感じます。
私自身の過去をふりかえっても、自分の子たちを見ていても、「小さい頃って大事だな」と思うんです。「幼少期をどう過ごすかは、人生に大きな影響を与えるんじゃないかな」と。
生活にまつわることも、周囲とのかかわりも、他者を信頼したり自分を肯定したりも……。その人のいちばん根本的で大事なところがつくられる気がします。その時は、過ぎてしまえばもう戻ってこないんですよね。
だからこそ、「子どもたちには、楽しく笑っていてほしい!」という思いがずーっとあります。そのお手伝いを、絵本をつくることでできたらと思っています。
“子どもの気持ちよさ”に寄り添いながら、暮らしの工夫を楽しむコンノユキミさん。あたたかいまなざしが伝わってきますね。
新感覚の穴あきしかけ絵本『バラバラピタッ!』でおもいきり遊んで、子ども目線の〈おかたづけ〉を始めてみませんか。
取材・文/大和田佳世
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コンノ ユキミ
1978年生まれ。東京学芸大学美術科卒。つくば市在住。 主な作品に、「頭のいい子を育てるおはなし366」(主婦の友社)シリーズ装画、...