2021.06.23

はまぎしかなえの絵本『おじいちゃんの ふしぎなピアノ』制作日記

第38回 講談社絵本新人賞受賞からデビューまで 第3回「ラフと本描きの間に」

※この記事は、講談社絵本通信(2017年3月)掲載の記事を再構成したものです。

みなさまこんにちは。
この度ようやくラフが終わりに近づいてきました!

いや~よかった~! ほんとによかった~~!(泣)

まだ本当のOKは頂いてないのですが、もうすでに何もかも終わったような(!?)気分になっています。ですがこれからが本番なので、カレンダーを見て、気を引き締めていきます!

今回一番の進展は、何度も(エ)さんとやりとりしてラフを描き直しているうちに、悩んでいた中盤部分の流れを掴めてきたことです。現状打破のきっかけは「おじいさんの感情のつながりを意識してみてください」という(エ)さんの一言でした。

それまで私は「ページのつながり」=「絵と絵のつながり」としか考えておらず、おじいさんの感情や考えるテンポといった人間味が足りないラフになっていました。

「ページのつながり」=「感情のつながり」を意識した途端すごく考えがすっきりして、やっぱり編集者のアドバイスはすごいなあ……と感動しました。

さて、これでOKがいただければついに本描きです! 私はいつも白黒のラフを描いたあと、カラーラフ、本描きという手順ですすめていきます。

白黒のラフ。今回は描写・郵送時間の短縮のため、デジタルでも描きました。

カラーラフ。色を手軽に何回も変えられるのでデジタルで描きます。

本描き。画用紙にパステルで描きます。仕上げの細い線などはアクリルガッシュを使います。

私は配色を考えるのが苦手で、本番一発描きだとほとんど必ず納得のいかない色合いになってしまうので、一度線画とは別に色だけ考えます。(これがカラーラフの行程です)そして出来上がったカラーラフを参考にパステルを重ねて色を作ります。

よく「なぜパステルを使ってるの?」と聞かれるのですが、それは色数が限られているからです。(他にも塗りつぶした時のテクスチャが好きとか手軽に描けるとかありますが、一番の理由はこれです!)

パステル同士を並べてみることで大体の色合いが掴めますし、大体の色数が決まっていれば迷うことが減るので、配色が苦手な自分にとってはぴったりの画材だと思います。

母にもらったパステルを買い足しながら使っています。(色数が限られている、という割には十分多いかも……?)

次回はぜひ「本描きが終わった!」という明るいお知らせをしますのでご期待くださいね! (……と宣言しておく背水の陣!)

それではまた!

こちらができあがった絵本です。

『おじいちゃんの ふしぎなピアノ』
作:はまぎしかなえ 講談社

はまぎし かなえ

1992年、福井県生まれ。絵本作家。
子どものころから絵やお話をかくのが好きで、
美術の仕事に就くことを志す。