『双子の赤ちゃんと犬一匹を一人で抱えていた、その時』 グレイス愛子さん（46歳）
震災のとき、私は生後４ヵ月の双子の娘を抱えて、賃貸アパートから一軒家に引っ越した直後でした。
２階で子どもたちを寝かしつけようとしていたらグラリときて。それまで一度も２階に上がってきたことがなかった犬がいきなり飛び込んできたので、そっちのほうにビックリしてしまったんですけど。
２階で子どもたちを寝かしつけようとしていたらグラリときて。それまで一度も２階に上がってきたことがなかった犬がいきなり飛び込んできたので、そっちのほうにビックリしてしまったんですけど。
でも犬はガタガタ震えているし、そのとき夫は外出中だったし、２人の娘と犬を守れるのは私しかいない！と、何だか突然生命維持装置のようなものが働き始めて。
突如私がとった行動は、お米を炊くことでした。とくに大きな災害を経験したことがあったわけでもないのですが、瞬時に「電気やガスが止まるだろう」と思い、そうなったときに食べられるものを用意しておかねば、とひたすらおにぎりを作りました。
突如私がとった行動は、お米を炊くことでした。とくに大きな災害を経験したことがあったわけでもないのですが、瞬時に「電気やガスが止まるだろう」と思い、そうなったときに食べられるものを用意しておかねば、とひたすらおにぎりを作りました。
０歳４か月の双子と犬を一人で
さらにその後、私は買い出しに出かけました。双子用ベビーカーに２人の娘と犬も乗せて。
今から思うと買い占めになるのであまり褒められた行動ではなかったのかもしれません。ただ「夫がいつ帰ってこられるかもわからない」と思ったら、この状況で食料とオムツがなくなったら死活問題だ……、と本当に真っ青になったんです。
余震も続いていたので、トイレに行くときですら、双子の一人は抱っこ紐に、一人はバッグに、さらに犬も紙袋に入れて連れて行ったほど。不安でたまらなかったので、まずは必需品だけは入手しなければと必死だったんです。
これはもう、動物の本能みたいなものだったのかもしれません。双子と犬を連れて、買えるだけのお米や水、オムツなどの紙類を買いに行きました。
ただ、当時は震災が起こることなんて予想もしていなかったので、最寄りのスーパーから10分ぐらい離れたところに家を借りてしまっていて。双子と犬、そして帰りは荷物も抱えて何往復もして、本当に大変でした。
今から思うと買い占めになるのであまり褒められた行動ではなかったのかもしれません。ただ「夫がいつ帰ってこられるかもわからない」と思ったら、この状況で食料とオムツがなくなったら死活問題だ……、と本当に真っ青になったんです。
余震も続いていたので、トイレに行くときですら、双子の一人は抱っこ紐に、一人はバッグに、さらに犬も紙袋に入れて連れて行ったほど。不安でたまらなかったので、まずは必需品だけは入手しなければと必死だったんです。
これはもう、動物の本能みたいなものだったのかもしれません。双子と犬を連れて、買えるだけのお米や水、オムツなどの紙類を買いに行きました。
ただ、当時は震災が起こることなんて予想もしていなかったので、最寄りのスーパーから10分ぐらい離れたところに家を借りてしまっていて。双子と犬、そして帰りは荷物も抱えて何往復もして、本当に大変でした。
その後、深夜になって夫が何とか帰ってきて。放射線の報道も出てきたので、そこからは、家族でひたすら家にこもっていました。
もともと夫は出張が多い仕事で、家にいないことは多かったんです。だから、この震災をきっかけに、「いざというときに双子と犬を私一人で守らなくていけない可能性は高い。もしかしたら買い物にすら行けないかもしれないし、それが長期間続くかもしれない」と痛感。ストックを切らさない、という生活スタイルに変えました。
そして、震災後にまた引っ越しをしたのですが、今度はスーパーの隣の家を借りました。これならまた何か大きな災害が起こっても、買い出しへの不安がだいぶ減るだろうと思ったので。それほどまでに、買い出しが大変だった。だから何よりもその負担への備えをしておきたいと思ったんです。
そして、震災後にまた引っ越しをしたのですが、今度はスーパーの隣の家を借りました。これならまた何か大きな災害が起こっても、買い出しへの不安がだいぶ減るだろうと思ったので。それほどまでに、買い出しが大変だった。だから何よりもその負担への備えをしておきたいと思ったんです。
日頃から備えを
災害に備えたい 小さい子がいるときは特に行動に制限が
11年経っても、そこが東京だったとしても、小さな子を抱えた親御さん方の震災の体験談は、詳細で切迫したものがありました。
様々な災害が起こりうる日本では、小さい子どもがいるときの行動を考えて備えておかなくてはならないと再確認しますね。（げんき編集部）
様々な災害が起こりうる日本では、小さい子どもがいるときの行動を考えて備えておかなくてはならないと再確認しますね。（げんき編集部）
げんきへんしゅうぶ
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ！」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。１・２・３歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載！ Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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山本 奈緒子
1972年生まれ。愛媛県出身。放送局勤務を経てフリーライターに。 『ViVi』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、 インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、 主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。
1972年生まれ。愛媛県出身。放送局勤務を経てフリーライターに。 『ViVi』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、 インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、 主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。