DAIGO「親になって気づいた。“ごはんを作る”って当たり前じゃなかった」

【大人気連載復活】わたしが子どもだったころSeason2:Vol2.DAIGOさん

ライター:木下 千寿

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「あの人は、子どものころ、どんな子どもだったんだろう」

「この人の親って、どんな人なんだろう」

「この人は、どんなふうに育ってきたんだろう」

今現在、活躍する著名人たちの、自身の幼少期~子ども時代の思い出や、子ども時代に印象に残っていること、そして、幼少期に「育児された側」として親へはどんな思いを持っていたのか、ひとかどの人物の親とは、いったいどんな存在なのか……。

そんな著名人の子ども時代や、親との関わり方、育ち方などを思い出とともにインタビューする連載です。

今回ご登場いただくのは、アーティスト、タレントとして多彩な活躍を見せているDAIGOさん。2025 年12月12日より全国公開の『映画 きかんしゃトーマス サンタを探せ! パーシーのクリスマス急行』 でサンタクロース役の声優を務めます。

活発で創作好き、「原ちゃん物語」を描いた幼少期

子どものころは、とてもいい子だったんじゃないかなというのが、僕の認識です。自分で勝手に情報修正して、美化している可能性はありますが……(笑)。姉と兄がいて歳が離れていて、僕だけ小さくて輪に入れないこともあったので、二人と一緒に遊びたい気持ちが強かったです。とても活発で、友達とよく遊んでいました。
家の近所に神社があり自由に遊んでよかったので、カラーバットとカラーボールで野球。お堂に向かう階段の上のほうまでボールが飛んだらホームランなど、小学生にとってはちょうどいい遊び場でしたね。また、ゲームが流行り出した時期でもあり、我が家にはゲームがあったから、放課後、みんなで集まってゲームをすることも多かったです。気づいたらソフトが1~2本ないということが起きるなど、ショックなことも経験しました(笑)。

クリエイティブも好きで、絵のうまい友達と二人での合作で、当時の同級生・原ちゃんを主人公にした『原ちゃん物語』という漫画を描いていたこともあります。お互いに1コマずつ描いていくから、どういう展開になるか先が全く読めないのが楽しかったです。

“昭和の父”と肩の力が抜けた母──のびのび育った家庭環境

それから、僕は電話が好きな子どもでした。友達ととにかく話したくて、しょっちゅう自宅に電話をかけていました。一番ひどかったのは、朝8時半登校なのに、8時10分ぐらいに友達の家に電話をしていたこと。友達のお母さんから「もう、あと数分後には学校で会えるでしょ」と言われて、「確かに」と納得した覚えがあります。

さすがに僕の親からも「ちょっと電話をかけすぎじゃないか」と注意されたりしましたが、結局、友達との電話は高校生ぐらいまで続きました。高校時代はテスト前、夜中に「勉強してる?」と電話をかけて話し、「じゃあ、次は1時間後ね」といったん切って、勉強に戻るといった具合。

だから小学校や高校のときの友達の家の電話番号は、いまだに覚えています。1人がちょっと苦手というか、みんなとワイワイにぎやかに過ごすのが好きで、1人の時間は月に2時間もあればじゅうぶん、というタイプでした。
父は、今はもうだいぶソフトですが、昔はまさに“昭和の威厳ある父親”というイメージ。実際に怖かったというわけではないけれど、「父を怒らせたらヤバい」という雰囲気がありました。母は僕が3人目の子どもということもあり、いい具合に肩の力を抜いて子育てをしていたんじゃないかという印象です。

2人からはあまり怒られた記憶もないですし、自由にのびのび過ごしていました。反抗期や親と距離ができる時期も特になく、普段からいろいろ話したりする関係性がずっと続き、結局、30代中盤までほぼ実家で暮らしていたので、親との時間はかなり多かったほうじゃないかな。実家にいすぎですよね。でもそういう時間が、僕にとっては大事だったと思っています。

親になって気づく、当たり前じゃなかった親の大変さ

自分が子育てをするにあたって理想はとくにありませんでしたが、「とにかく愛情を注いで育てたい」、「子どもがやりたいことはやらせてあげる、そんな環境を作ってあげたい」という気持ちは持っていました。

親になってから、「自分の親も大変だったんだろうな」と気づくことが増えました。たとえば僕の親は食事を毎日作ってくれていたけれど、それは決して当たり前にできることじゃない。僕が子どものころ、晩ごはん前にポテトチップスを2袋食べてしまい、用意してもらったごはんを全然食べられないということがありました。

自分も料理をするようになった今、当時のことを思い出すと「親に申し訳ないことをしていたなあ」という気持ちになります。そんなふうに自分が子どものころやってしまい、振り返って「ダメだったな」「自分のミスだったな」と思うことは、自分の子どもにやってほしくないので、きちんと伝えたいなと思っています。
いまの家族時間は“子どもたちが遊んでくれている時間”

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