昆虫の聖地「高尾山」で大型の蛾を採集!中学生昆虫博士が採集のコツを伝授

MOVEラボ研究員助手しんご「ボクの、観察・研究日記」vol.6 (2/2) 1ページ目に戻る

再び大型の蛾を採集!

ここからはあまり蛾は現れず、下山して麓の街灯を見ることに。下山直後は何もいませんでしたが、0時40分くらいになると目的のヒメヤママユが街灯の周りを飛んでいました。しばらくネットを振っていないので苦戦しつつネットイン。
ヒメヤママユ
欠けが大きいヒメヤママユでしたが、ヒメヤママユはヒメヤママユです。
欠けの大きいヒメヤママユ
目的の3種類をしっかり全種採集することができました。ここから先、ヒメヤママユが多く、街灯の下の旗に止まっている2匹を追加で採集できました。3匹全員オスで翅(はね)の欠け、スレも多かったですが、とてもうれしい採集結果。
その後は少しだけ街灯を覗いて帰りました。

お腹がすくのでカロリーメイトやおにぎりなど、お腹を満たせるものが必要だったかもしれません。また、気温がとても低かったのでしっかり厚着で行ってよかったです。登山のときは暑くなるので脱いだほうがいいかもしれません。

大型の蛾の採集方法

大型の蛾は街灯の支柱や枝、葉に止まっていることや街灯の周りの地面に落ちていることが多いです。また、街灯の周りを飛んでいること、クモの巣に引っかかっていることもあります。夜に街灯を見て採集もできますが、朝早い時間に街灯の周りに取り残されている蛾を採集する居残り採集というものもあります。ヒメヤママユやウスタビガは寒くて動けなくなっていることも多く、この居残り採集が特に有効だそうです。

蛾の仲間はネットインして胸部圧迫(蝶でよく使われる〆方)をしても平気で暴れるので完全に〆る必要があります。そのため、アンモニアや無水エタノールを蛾に注射して〆ることが多いです。
無水エタノール注射
アンモニアや無水エタノールを使って虫を〆る場合、腹と胸の境目に針を刺し、少量を注射します。本当に少しで〆ることができるので多く注射しなくても大丈夫です。また、この方法は胸部圧迫が効かないオオムラサキ、フタオチョウなどの蝶にも有効です。

自分に刺さないように気を付けて活用してみてください。

蛾の採卵方法

蛾は蝶と違って意外と卵を産む場所に無頓着で、例えばコウモリガは夕刻に飛び回って卵をばらまくという生態も相まって、メスを三角紙に入れて持ち帰ると、次あけるときにはばらばらと卵が出てきます。

コウモリガの卵はゴマ塩みたいで美味しそうで、たぶん有精卵は黒く、無精卵は白いです。採集して持ち帰るとき、そのままジップロックにいれて放置すれば卵を産んでくれます。僕自身も茨城でヒメヤママユの雌をたまたま採集したとき、入れていたジップロックに爆産(多くの卵を産むこと)していました。

この時期の蛾は卵で越冬するので、室内などの暖かい場所に置いておくと孵化してしまい、食べさせるものがなくなるので、冷蔵庫や外で管理し、乾燥するのは良くないのでたまに霧吹きで水を吹きかけるといいでしょう。春になって芽吹き始めたら暖かい場所に移すというのがよさそうです。

採集してジップロックに入れてから産卵に時間がかかる個体もいるので気長に待ってみてください。僕が捕まえた個体は卵を産むのにちょうど丸一日くらいかかりました。

家で手に載せてみましたが、やっぱりウスタビガはかわいいですね。
手のりウスタビガ
是非皆さんもモフモフのウスタビガやヒメヤママユやケンモンミドリキリガの模様を堪能してみてください!

写真・文/工藤真悟

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