
まるでサバンナの野生動物のよう!動物学者もおすすめの動物園【のんほいパーク】を訪問
〈新連載〉ドリトル柴田の「動物園に行ってみた!」vol.2 (2/2) 1ページ目に戻る
2025.08.24
科学ジャーナリスト:柴田 佳秀
のんほいパークといえばマンドリル
マンドリルは、アフリカ中西部の熱帯雨林にすむ大型のサルで、オスの顔とお尻が鮮やかな色なのが大きな特徴。発情するとさらに色鮮やかになり、メスにアピールするんだそうです。

なにしろ、日本最大級のマンドリル舎で飼育されていると聞いていたので、一見の価値があるわけです。

飼育施設の広さは、正直なところ圧倒されるほどではありませんでしたが、それでもこれまで見てきた中ではトップクラスの待遇です。野生のマンドリルは、なんと800頭もの大集団で暮らすことがあり、これはサルの仲間では最大規模なのだそうです。
のんほいパークでは、そんなマンドリルの習性に配慮し、複数の個体を一緒に飼育できるよう、日本の動物園でも最大級の規模を誇る施設を整えています。施設内には3つの展示場と8つの寝室があり、複数の群れをそれぞれ別々の展示場で生活させることができるようになっているのです。

また、のんほいパークは、全国の動物園で飼われているマンドリルたちの繁殖や血統の管理を調整する、いわばまとめ役のような立場も担っているそうです。


和鳥も見逃せません!

今では、「和鳥の飼育と繁殖といえば、やっぱりのんほいパーク!」と言われるほどの実力を持つ、ちょっとすごい動物園なんです。

のんほいパークでは、昔からこうした和鳥の飼育と繁殖に取り組んできていて、まさに“職人技”とも言える伝統が受け継がれているんです。
そして今、特に力を入れているのが「アカモズ」という小鳥。夏になると日本にやって来て、子育てをするかわいい鳥ですが、なんと今は全国でたった200羽ほどしかいないと言われていて、絶滅が心配されています。そんなアカモズを未来に残すために、スタッフの皆さんが日々がんばっているんですよ。

目指しているのは、動物園で育てたアカモズを将来は自然に帰して、絶滅の心配がないくらい数にまで増やすこと。そのためにも、今アカモズが置かれている厳しい状況を、もっと多くの人に知ってもらいたい――。そんな願いがスタッフの皆さんからひしひしと伝わってきて、「なんとか守ってあげたいなあ」と思わずにはいられませんでした。

何度も通いたくなるのんほいパーク
それでも、ぜんぶの動物をじっくり見るにはまったく時間が足りず、「あっちも見たかった、こっちも気になる!」と名残惜しい気持ちに。今度来たときは、あそこにも寄りたいな、もっとゆっくり見て回りたいな……なんて思いながら園をあとにしました。
とにかく、何度でも通いたくなる魅力がぎゅっとつまった動物園。それが、のんほいパークなんです。(取材:2024年11月6日)



写真・文/柴田 佳秀
柴田 佳秀
元ディレクターでNHK生きもの地球紀行などを制作。科学体験教室を幼稚園で実施中。著作にカラスの常識、講談社の図鑑MOVEシリーズの執筆など。BIRDER編集委員。都市鳥研究会幹事。科学技術ジャーナリスト会議会員。暦生活で連載中。MOVE「鳥」「危険生物 新訂版」「生きもののふしぎ 新訂版」等の執筆者。
元ディレクターでNHK生きもの地球紀行などを制作。科学体験教室を幼稚園で実施中。著作にカラスの常識、講談社の図鑑MOVEシリーズの執筆など。BIRDER編集委員。都市鳥研究会幹事。科学技術ジャーナリスト会議会員。暦生活で連載中。MOVE「鳥」「危険生物 新訂版」「生きもののふしぎ 新訂版」等の執筆者。