
「公共交通機関なし」の秘境にいた!日本でココだけ「ボルネオゾウ」と極レア動物の宝庫【福山市立動物園】
〈新連載〉ドリトル柴田の「動物園に行ってみた!」vol.4
2025.10.05
科学ジャーナリスト:柴田 佳秀


目次
毎日投稿される動画にはまる
これまでの記事はこちらから(①日立市かみね動物園/②のんほいパーク/③安佐動物公園)
近ごろ、多くの動物園がSNSでの情報発信に力を入れています。その中でひときわ目を引いたのが、広島県にある福山市立動物園。毎日のようにたくさんの動画を投稿しているのです。
正直なところ、それまで福山市立動物園についてはほとんど知りませんでした。しかし投稿を見れば見るほど、「いったいどんな動物園なんだろう」と興味が膨らみます。そこで、同じ広島県内の安佐動物公園を訪ねた翌日、足を延ばして福山市立動物園を訪れることにしたのです。
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専門的な知識もわかりやすい!MOVE「動物 新訂二版」
公共交通機関がない!
「公共交通機関がありません」
福山駅までは新幹線で行って、在来線に乗り換えて最寄り駅からタクシーに乗るしかないとのこと。でも、電車の本数は少なく、タクシーもなかなかつかまりそうもありません。開園時間に間に合うか不安です。
そこで作戦変更。広島からレンタカーを借りて行く事にしました。ナビに従って進むと、だんだん細い山道に入り、「本当に動物園があるのかな?」と少し不安に。でも無事に到着。こんなに手間をかけて行った動物園は、なかなかない経験でした。

コンパクトな園内

絶滅危惧種のシマウマが
「ふーん、シマウマか。2頭だけじゃ少し寂しいな」――そんなことを思いながら近づいてみると、驚きの発見が。

ハートマンヤマシマウマは、南アフリカやアンゴラの山岳地帯に暮らすヤマシマウマの亜種で、とても珍しい種類。日本で飼育しているのは、わずか3つの動物園だけです。まさかここで出会えるとは思わず、胸が高鳴りました。

レアなレアに遭遇!
何気なく視線を向けたその先に――思わず二度見するような珍鳥がいました。それは「レア」。南米の草原に生息する走鳥類で、日本で見られるのはここを含めわずか2か所、もう一つは久留米市鳥類センターだけという貴重な存在です。まさに名前の通り“レア”な鳥。私にとっても初めての出会いで、想像よりもずっと小柄なのが印象的でした。


ヒクイドリを見るのもこれが初めてです。危険な鳥として知られていますが、こちらも意外と小さく、ダチョウと並ぶとその差は歴然。思わぬ連続の初対面に大感激です。

なんでこんなに⁉ 目を見張るネコ科の充実ぶり

展示場はコンパクトながら立体的に設計されており、来園者はさまざまな角度から動物たちの姿を観察できます。また、動物たちにとっても過ごしやすいよう、好きな場所でくつろげる工夫が随所に感じられました。

