「アオミオカタニシ」は目玉がツノの根元に!? 貝がらにはフタまで!

【目玉がツノの根元に!? 貝がらにはフタまで!】
緑色のかわいすぎるカタツムリ 「アオミオカタニシ」。

「アオミオカタニシ」のチャームポイントは色だけじゃない。
顔までバツグンにかわいいのだ。いや、もちろんフツーのカタツムリの顔だってかわいいけど、「アオミオカタニシ」はちょっとちがうタイプのキュートさなんだよなぁ〜!だって見てよこのつぶらなひとみを!

赤くそまったほっぺた、そしてツノのつけねにはクリクリした黒目!ほかのカタツムリにはないかわいらしさだ。
すべての画像を見る(全5枚)
なにキミ?ポケモンの世界から来たの?

そう!フツーのカタツムリはツノのさきっちょに目玉がついているけど、「アオミオカタニシ」の目はツノの根元にあるのだ!だからマンガの世界から飛び出してきたようなユニークな表情に見えるんだね。
これは「アオミオカタニシ」やオキナワヤマタニシなどのヤマタニシ科の貝、あるいは田んぼにいるタニシの仲間に見られる特徴なんだ。
(左)こちらは普通のカタツムリ。ツノは大小あわせて4本。
(右)「アオミオカタニシ」とちがって長いツノ(大触角)の先に丸い目玉がついている。もちろん、これはこれでかわいいけどね!
「アオミオカタニシ」
もうひとつの特徴がこれ。タニシやサザエのように貝がらの口にカタいフタを持っていることだ。フツーのカタツムリにはこんなのないよね?
「アオミオカタニシ」と同じヤマタニシ科の「オキナワヤマタニシ」。
やはり目玉はツノの根元に。貝がらにはフタもついている。外でカタツムリを見つけたら、目がどこにあるか、フタのあるなしをよく観察してみよう。新しい発見があるかもしれないぞ。

【負けるな「アオミオカタニシ」!】

実を言うとこのかわいい「アオミオカタニシ」たちは、悲しいことに近ごろその数をへらしつつあり、絶滅が心配されはじめている。
そのいちばんの原因は彼らのくらす沖縄の森が開発によって失われつつあること。「アオミオカタニシ」は木がなくては生きていけない上に足が遅く、長い距離を移動することもできない。そのためすみかの森をうばわれるとあっという間にその土地から消えてしまうんだ。
(左)「アオミオカタニシ」は木の上が大好き。というか、木がなくなると生きていけない。
(右)沖縄のカタツムリを襲う外来生物のニューギニアヤリガタリクウズムシ。「アオミオカタニシ」も彼らに食べられて数をへらしているのかもしれない。
また、ちかごろはニューギニア島原産の『ニューギニアヤリガタリクウズムシ』というカタツムリの仲間を食べる外来生物が沖縄で大繁殖しており、「アオミオカタニシ」もその被害にあっている可能性がある。
しかも食べものをはじめ「アオミオカタニシ」の生態はくわしいことがあまりわかっておらず、長い間飼育すること、人工的に繁殖させることもむずかしい。
こんなにかわいらしい「アオミオカタニシ」だが、なかなかあやうい状況にあるのだ。このかわいい緑色のカタツムリをいつまでも観察できるよう、僕たちはがんばって沖縄の自然を守っていかなくていけないだろう。
この記事の画像をもっと見る(5枚)