恐竜は絶滅していない!? 研究者らが「恐竜は今も身近に生きている」と主張する科学的な証拠って?
恐竜は私たちと一緒に暮らしているかもしれません!
2024.09.20
しかも、その生き物の遺伝子から恐竜を作り出そうとする研究まであるとか……。
「科学は世界を見る窓!」という決めゼリフとともに科学の知識とその面白さを伝え、今や37万人超の登録者数を誇る科学系YouTubeチャンネル「サイエンスドリーム」。
古生物学・進化生物学にまつわるテーマを中心に、斬新な切り口と確かな科学的根拠にもとづく解説で、いま、大人はもちろん、ためになる“ナゾと不思議”で小学生の子どもたちにも大人気です。
ここでは、最新の論文や面白い研究にもとづくサイエンスドリームの動画の中でも、とくに注目の「恐竜の話」をお届けします。
この記事は『恐竜は今も生きている? 動物・人類・絶滅生物──すごい進化の話』(ワニブックス刊)から一部抜粋・再編集したものです。
サイエンスドリーム
科学の知識とその面白さを提供するYouTubeチャンネル。科学記者として約10年働いたのち、YouTubeで活動を始めた。古生物学・進化生物学にまつわるテーマを中心に、斬新な切り口と科学的根拠に基づく簡潔かつ分かりやすい解説、独自の見解が高評価を得て、大人から子どもまで人気になる。YouTubeでの決めゼリフは「科学は世界を見る窓!」
YouTube @sciencedream_jp
目次
始祖鳥そっくりの恐竜「デイノニクス」を発見
1969年、デイノニクスという恐竜の化石が発見されました。そしてこの化石からは、この恐竜と始祖鳥(しそちょう)が、なんと100種類以上の共通点を持っていたことがわかりました。
当時は、始祖鳥が鳥の祖先として知られていたため、今の鳥は恐竜から進化したのだろうという結論に至ります。鳥が恐竜から始まったという、このありえなさそうな仮説は、当時の恐竜学者を驚かせるには十分でした。
鳥と恐竜は共通点がたくさん
(1)多くの恐竜が鳥のように二足歩行をすること
(2)骨に空気を入れることができる気囊(きのう)という器官が発達していること
(3)鳥が翼を後ろに反らすように、恐竜の手首の関節の骨も後ろに反らすようできていたこと
などです。
さらに、恐竜の骨盤には穴が空いていて、その穴に太ももの骨が収まるのですが、これは鳥類とまったく同じ骨盤の構造です。
羽毛を持つ恐竜「シノサウロプテリクス」も発見される
さらに、その近くで数十~数百個に及ぶ羽毛恐竜の化石がどんどん見つかったのです。最近では、小型の肉食恐竜だけではなく、大きな草食恐竜の化石からも羽毛が発見され、羽毛は突然変異の結果ではなく、恐竜が持つ一般的な特徴であったことが明らかになっています。
恐竜は今も生きている
そして、小さな肉食恐竜のうちの一部が飛ぶことができる羽毛を持つようになり、その恐竜たちが、6600万年前の大量絶滅でも生き残って今の鳥になったというのです。
つまり、恐竜は現在も生きていて、私たちがこの前食べたフライドチキンも恐竜、ということなのです!
鳥から恐竜を作り出す「チキノサウルス計画」
2009年、研究者は逆に鶏を使って、恐竜を作り出す研究を計画しました。現代の鳥の体には、鳥たちの祖先である恐竜から受け継いだ遺伝情報が入っているため、遺伝子操作を通して、鶏から恐竜の特徴を作り出そうとしているのです。
別名「チキノサウルス計画」と呼ばれるこの研究計画は、まだ成果はありませんが、現在進行中です。
恐竜好き、動物好きな小学生のお子さんへオススメ
恐竜が絶滅していない科学的な証拠!
書籍イラストはすべて人気イラストレーターが描き下ろし。動物図鑑のベストセラー多数のぬまがさワタリさん、オリジナルの恐竜キャラがSNSで話題のクマコロさん、わかりやすい人体イラストや『ざんねんないきもの事典』で定評の德永明子さんを起用。
書籍ではこんなテーマが読める!
✓シャチが海の最強のハンターである本当の理由とは?
✓シマウマがしま模様なのはなぜ?
✓人間が人間を食べてはいけない、科学的な理由って?
✓めちゃくちゃだった復元図の変貌と恐竜研究の歴史
✓大量絶滅後の動物は研究者も混乱する奇妙な見た目ばかり!
執筆協力:今井明子(サイエンスライター)