ホタルはなんのために光っているの?

【MOVE生きものコラム】生きもののふしぎを紹介!

ホタルは光の会話を交わしている!?

闇夜に舞うホタルの光は、初夏の風物詩の一つです。その光は、わたしたちを魅了してやみません。
しかし、ホタルは、もちろん人をよろこばせるために光っているわけではありません。ではいったい、何のために光っているのでしょうか?

例えば、ゲンジボタルの場合は、卵・幼虫・さなぎ・成虫と、一生を通じて光を発します。

成虫が光る理由の一つは、オスとメスが出会い、交尾をするためです。
日が暮れるとオスはいっせいに飛び始め、光っては消す、という点滅をくり返します。そして、葉の上などで光っているメスをみつけると、メスに近づき、光の会話を交わして交尾にいたります。

ちなみに、オスの光り方は地域によって異なっており、「光の方言」などと呼ばれています。本州中央部を縦断するフォッサマグナを境に、西のホタルは二秒に一回、東のホタルは四秒に一回光ります。西のホタルは東のホタルに比べて少しせっかちのようです。

いっぽう、繁殖をしない卵・幼虫・さなぎの光る理由は、外敵に対する警告のため、といわれています。ホタル類は体に有毒な物質をふくんでおり、夜行性の捕食者(ほしょくしゃ)に「おいしくないよ」と光で警告しているのかもしれません。

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