宇宙でも生きられる!?

宇宙空間には、空気もないし、つねに強烈(きょうれつ)な放射線が飛びかっています。人間は、宇宙服などの防護なしに、宇宙空間で生きることはできません。

しかし、生きもののなかには、そんな過酷(かこく)な状況にたえられるものもいます。
WONDER MOVE「生きもののふしぎ」(p.84-85)でも紹介している、クマムシの一種は、宇宙空間でも生き残るものがいたことが、実験で確かめられています。

関連:「生きもののふしぎ」84-85ページ

クマムシは乾燥状態になって、生命活動を停止して、生き残ることができます。その能力を『クリプトビオシス(「かくされた生命」という意)』といいます。乾燥状態になって生き残り、また、水分を補給(ほきゅう)してやると、生き返るわけです。

『クリプトビオシス』をおこなう生きものは、クマムシだけではありません。
アフリカのナイジェリアなどの半乾燥地域にすむ昆虫「ネムリユスリカ」は、『クリプトビオシス』をおこなう、最も大型で高等な生きものです。幼虫は7~10ミリほどの大きさで、完全な乾燥状態になっても水をあたえると1週間ほどで元にもどります。

宇宙飛行士の若田光一さんらの実験では、乾燥状態の100匹のネムリユスリカの幼虫が、ISS(国際宇宙ステーション)で、水をあたえると活動をはじめ、7匹がサナギになり、1匹が成虫になりました。
また、別の実験では、宇宙空間にダイレクトにさらしたユスリカのなかまのなかにも、生き残るものがいました。

乾燥状態のネムリユスリカの幼虫は、17年間乾燥状態で生き延び、その後、水をあたえると蘇生(そせい)したという記録があります。また、これまでおこなわれた実験では、200度の高温や、-270度の低温でも生き残るものもいたそうです。

ユスリカのなかまはとても小さな昆虫ですが、放射線にも強く、生命活動の停止や保存など、研究テーマの宝の山のような生きものです。これからも、生命の神秘をわたしたちに見せてくれるかもしれませんね。