ヘビのウロコに新発見!

ヘビは、体をくねらせて、するするとさまざまな場所を移動します。木に登ったり、泳いだり、木から木へ飛んだりもできます。どうしてどんな場所でも、するすると動けるのでしょうか。

ヘビの体の表面は、細かいウロコでおおわれています。そしてお腹の部分のウロコは、背中のウロコに比べると、すべすべでなめらかです。けれども、高解像度の顕微鏡で調べてみても、お腹と背中のウロコの構造に違いはありません。

今回、カリフォルニアキングヘビの脱皮殻を念入りに調べてみると、厚さが人間の髪の毛の直径の数万分の1しかない、とても薄い脂質(あぶら)の層が、ウロコをコーティングしていることがわかりました。このヘビのウロコをコーティングする脂質(あぶら)が、背中よりお腹のほうが整った層を作っているため、すべすべでなめらかに感じるのです。
つまり、この脂質(あぶら)の層が潤滑油となり、ヘビがするするとすべるように動けるということがわかったのです。

ヘビの潤滑油は、そもそも非常に薄く、またウロコの表面からはがれたり、拭きとることができないため、ヘビを扱う人たちも、今まで潤滑油の存在には気づきませんでした。
この潤滑油の成分は、ヘビの種類によって違いがあるようですが、カルフォルニアキングヘビ以外の、多くの種類のヘビでも同じように、この「はがれない潤滑油」があるのではないかと考えられています。