超巨大噴火でドーナツ型の噴煙ができる!?

なぜ巨大なドーナツ型の噴煙になるの?

火山の噴火というと、みんなはどんなようすを思いうかべるかな?

ハワイのキラウエア火山からは、熱くて黒い溶岩がゆっくりと周囲に流れている。
日本でおなじみなのは、九州の桜島のように、急に爆発して噴煙が空高くあがるタイプの噴火かもしれないね。
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いま、わたしたちが目にする噴煙は、ふつう、まんなかの火口の上にできた綿あめのような感じだけれど、これの何百倍にもなるような超巨大噴火だと、まんなかより、むしろまわりのほうで噴煙が高く上がる、巨大なドーナツ型になるらしい。

ちょうど、まんなかに静かな「目」があって、その目をぐるりと囲む雲で激しい暴風雨が発生する台風とよく似ている。
これは、東京大学などの最近の研究でわかったことなんだ。
火山の噴煙は、溶岩などの熱で周りの空気が暖められて、火山灰が空気といっしょに上昇していったものだ。
超巨大噴火になると、熱い溶岩のかけらなどが山の斜面を猛スピードで流れ下る大規模な「火砕流(かさいりゅう)」が発生するんだ。

四方八方に流れていった火砕流は、やはりとても熱いので、火口から離れた場所で上昇気流が発生する。
だから噴煙は、火口のまわりをぐるりと囲むドーナツのような形になる。
これはコンピューターのシミュレーションでわかったことなんだ。
▲コンピューター・シミュレーションでわかった超巨大噴火の噴煙。下の図のように、周辺部で噴煙が高く上がる。上の図は、横から見たところ。(画像提供:東京大学地震研究所 鈴木雄治郎 助教)


超巨大噴火がはじまって十数分もすれば、ドーナツ型噴煙の半径は100キロにもなる。
たとえば富士山から100キロといえば、東京や伊豆半島がすっぽりとおおわれてしまう。
どれほど巨大な噴煙なのかがわかるよね。
こんな超巨大噴火はめったにおきないけれど、過去におきた証拠が日本にもある。
たとえば九州の阿蘇山のあたりには、直径が20キロくらいにもなる巨大なくぼ地がある。
これを「カルデラ」っていうんだけれど、これが、かつて起きた超巨大噴火の証拠なんだ。

日本には、おなじようなカルデラがいくつもあるんだよ。
巨大噴火についてのくわしいお話は、「びっくり! 地球46億年史」に載っています。
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