恐怖のヌメヌメモンスター!ヌタウナギ 前編

夜の海で魚釣りをしていると、へんなモノがつれることがある。

釣り糸にからまる透明なゼリーのようなかたまり。

そして、そのなかでくねくねと動く、茶色いなにか……。
なっ、なんだコレは!?
ヌメヌメのゼリーをかきわけると、細長い体がズルリとほどける。

「ヌタウナギ」という海の底にくらす生きものだ。

しかしウナギと名前はついているがヒレも目もない。

ウナギというよりは巨大なミミズのような姿をしている。
これがヌタウナギだ!
目は皮ふの下にうもれている。
エサはにおいをたよりに探すのだ。

それもそのはず。ヌタウナギはウナギのなかまではない。

というより、そもそもふつうの魚ではないのだ。ヌタウナギは「無顎類」といって、ふつうの魚のような上あごと下あごはもっていない。

下を向いてひらいたまるい口からは、昆虫のように左右に動く歯が飛びだすのだ。…エイリアンみたいでちょっと怖い!!
ヌタウナギの口。なんとアゴがない!
口の奥から歯がとびだした。噛まれるとなかなか痛い。
でも!
ヌタウナギのいちばんおそろしい特ちょうは、あのヌメヌメしたゼリーのような液体だ。

ヌタウナギは大きな魚におそわれたりして身の危険を感じると、まわりの海水をつかって大量の粘液を作りだす。

これが外敵のエラにネバネバとからみつき、ちっ息させてしまうのだ……!


〜「恐怖のヌメヌメモンスター!ヌタウナギ 前編」おわり〜

後編では、ネバネバの粘液の秘密を探ります!
お楽しみに!


平坂寛さんが編集長を努めるウェブサイト