“図鑑マニア”の先生も実践! 2歳からのフィールドワークに「植物」がおすすめの理由

MOVE「はじめてのずかん しょくぶつ」は、親子で植物観察が楽しめる仕掛けがいっぱい!

植物学者:斎木 健一

いちばん身近な「生きもの」ってなんだ?

「実は、いちばん身近な生きものは植物です。なぜなら、食べものの中に一番多いから。みんな毎日、お米を食べる。食卓には野菜も果物も並びますよね? さらにその食卓も、例えばテーブルや椅子が木製だったり、テーブルに乗っている本も新聞も紙製品は植物が原材料ですね。

ただ、やはり食べものがいちばん原形をとどめているし、なにより味があることで興味を持ちやすいと思います」
今回お話を聞いた『はじめてのずかん しょくぶつ』監修の斎木健一先生
千葉県立中央博物館上席研究員の斎木健一先生。植物学者で、2000冊以上の図鑑をコレクションする図鑑マニアでもあり、TBSの番組『マツコの知らない世界』に“図鑑の世界”案内人として出演した経験を持つ。そんな斎木先生が図鑑を監修するにあたって、まずこだわったのは「五感を刺激する」内容であることだそうだ。

どんな子どもにも興味を持ってもらえるのが、植物

「まず、前提として、この図鑑をきっかけにして親子で会話をしてほしいのです。子どもは皿の上の緑色を指差して、この葉っぱ残す、と言ったりする。無意識でも葉っぱだということは分かっているわけだから、それなら、そういったシーンから興味を広げてもらおうと製作したページもあります」
「はじめてのずかん しょくぶつ」P56-57

リアルとリンクしやすいのも「植物」

「なにか物事に興味を持った際は、それを持続させたり、知識を深めるために、実物とリンクできるということがとても大事です。

しかし例えば、昆虫好きの子どもの興味を実物とリンクさせようと思うと、親が苦労しますよね。魚だったら、水族館や釣りに出かけることになる。それが、野菜や果物なら普段買い物に出かけるスーパーで簡単に手に入るものが多い。そして調理する際に断面を観察することもできますし、最後に味わえるのがいいですね」
「はじめてのずかん しょくぶつ」P60-61

親も一緒に楽しめるのが「植物」の世界!

「この図鑑では、よく子どもがフーッと吹いている、たんぽぽの綿毛の動きを冒険として取り上げました。このページを読み聞かせてもらえれば、綿毛には種がついていて、芽が出て、花が咲いて、仲間を増やしているんだね、というところまで説明できます。実際に自分が吹いたたんぽぽの綿毛が、これからどこに行くのかなって想像が広がるとわくわくしますよね。

きっと、たんぽぽの綿毛をフーッと吹く行為自体も、はじめは大人がやって見せて教えるのではないでしょうか。そのように、子どもの興味の幅を広げていくには誰かと一緒になって楽しむことがポイントです。

だからまずは、保護者の方に子どもの世界へ関心を持ってほしいです。その際に、たんぽぽのストーリーぐらいだったらなんとなくでいいので、覚えていられるのではないでしょうか」
「はじめてのずかん しょくぶつ」 P16-17

「一緒にやってみよう!」が自然と生まれる!

「はじめてのずかん しょくぶつ」 P36-37
「『でんしレンジで つくる おしばな』というページのインスタント押し花もおもしろいですよ。博物館の講座でやろうと思って、自分でいろいろと実験をした結果思いつきました。

電子レンジに入れるんだから金属のクリップは使えないので、輪ゴムを使ってみたり、何度も焦がしたり、失敗を重ねて良いレシピが生まれました。この方法だと色の残りも良いんです。これは大人がハマったという感想をいただくのですが、お子さんも結果がすぐ分かるので楽しんでくれるようです」

図鑑を正しく使って、親子でフィールドワークからはじめてみよう!

1冊の図鑑から、体験まで引き出せるようになっている『はじめてのずかん』。ただ、図鑑を読んで興味がわいたら、次は図鑑を持って外に出かけて、本物を探そうとする一般的な発想は要注意だそう。

「実は、図鑑を外に持っていって、それを使って植物の名前を調べるという行為はかなりハードルが高いんです。図鑑にすべての植物が載っているわけではないし、判別は専門知識がないと難しいですから。そして、これかな、どうかな、やっぱりわかんないねといった、うまくいかない体験をしてしまうと、せっかくの好奇心の芽生えに逆効果になってしまう

もちろん、調べることが目的の図鑑もありますが、ひとことで図鑑といっても多種多様で、実は目的によって選べるようになっているんです」
「はじめてのずかん しょくぶつ」 P6-7
そこで、外出先で出会う植物や昆虫の名前を調べたい場合は、スマホを活用することを先生は薦めている。

「ひとつは、スマホで撮影しておいて、家に帰ってからゆっくり図鑑で調べる方法です。写真の撮り方としてまず基本は、図鑑に載っているような写真や絵と同じ方向から撮影すること。例えばトンボは上から、クワガタムシは横から写したイメージがありませんか? 

写真にしても絵にしても特徴がいちばん目立つように図鑑には載っているので、それと同じように撮影すると品種の見分けがつきやすくなると思います。どの方向が正解か分からない場合は、いろいろな角度から何枚も撮影しましょう

植物の場合は、花の名前が知りたい場合でも花だけじゃなく、離れて全体、近づいて葉や茎、葉のつき方を撮影しておくことで分別しやすくなるでしょう。
また最近は、例えば花をカメラにうつすと識別してくれるようなアプリも出ていますね。アプリによって精度はまちまちですが、特に初心者で手がかりがまったくないという方にお薦めします」


斎木先生は、スマホのカメラだけでなく、GoogleMapのような地図アプリも研究に活用しているそう。
「はじめてのずかん しょくぶつ」P10-11より
植物の知識は、理科的な学習で必ず必要となるものだし、教養の素地にもつながる。生活科から名前を変えて3年生から始まる小学校の理科の授業でも、まずは季節探しというテーマで校庭で植物を探すことが多い。春なら花、秋なら紅葉やどんぐりなどの木の実のように、子どもたちが簡単に見つけられる生きものは植物なのだ。

子どもと一緒に楽しめて、親の世界が広がる! 2歳からの読み聞かせ図鑑に新作が登場

講談社の動く図鑑MOVE『はじめてのずかん』シリーズに植物が登場。2歳からの読み聞かせ、5歳からのひとり読みができる『はじめてのずかん』は、本文はひらがなとカタカナのみ。絵本のように大人が読み聞かせしやすいコラムやクイズなども充実している。新作のテーマ・植物は、身近な生き物の代表格で、小学校入学前に身につけたい知識も多い。

親子の会話のきっかけになり、大人も子どもも楽しめる遊びのヒントもたくさん詰まっているという『はじめてのずかん しょくぶつ』大好評発売中!
さいき けんいち

斎木 健一

千葉県立中央博物館 分館海の博物館分館長

1962年、神奈川県生まれ。「千葉県立中央博物館 分館海の博物館」分館長。所有する図鑑は1800冊以上。 TBS系テレビ番組『マツコ...