
じつは隣の人とは違う虹が見えている? 虹の不思議を専門家がわかりやすく解説
虹が7色に見えるわけもくわしく説明
2026.10.23
虹は、自分だけのものって知ってた?
空はどうして青いの?
筆保弘徳先生(以下筆保先生):虹の色を説明するには、まず「空はどうして青いか?」っていうところから説明しますね。
──たしかに空は青く見えますね!
筆保先生:空は青く、雲は白く見えますよね。でも空気も水蒸気も透明でしょう?
まず、ものがその色に見える理由は2つあります。1つ目は、太陽の光の反射と吸収です。太陽の光は白色に見えますが、光には波長というものがあり、それが色を決めています。波長の短いものは青、波長の長いものは赤というふうに。
では、白色はどうでしょうか? じつは、白色に対応する特定の波長があるわけではありません。いろいろな波長の光、つまりさまざまな色の光が混ざり合うことで、白く見えるのです。つまり、太陽の光が白いということは、さまざまな色の光が含まれているということなんです。
そして、太陽の光が海に当たると、海の水は青色以外の光を吸収しやすく、青い光は比較的反射されます。その反射した青い光が私たちの目に届くことで、海は青く見えるのです。また、空の青い光が海面で反射することも、海が青く見える理由の一つです。
一方、雲は小さな水滴や氷の粒でできています。これらの粒は空気の分子よりも大きく、さまざまな色の光をほぼ同じように散乱させます。そのため、いろいろな色の光が混ざり合って、雲や霧は白く見えるのです。
──そうなんですね。では、虹はどうして1色じゃなく、色が分かれるんですか?
筆保先生:はい、虹ができるには、「屈折」と「反射」が関係しています。太陽の光が雨粒などの水滴の中に入ると、光の進む方向が変わります。これが「屈折」です。
光は色によって曲がり方が少しずつ違うため、水滴の中でさまざまな色に分かれます。そして、水滴の内側で反射し、外に出るときにもう一度屈折します。このとき、太陽と反対の方向から約42度の角度に赤い光が強く見え、ほかの色の光もそれぞれ決まった角度に見えるため、虹ができるのです。
じつは、虹の色はきっちり7色に分かれているわけではなく、連続的に変化しています。日本では7色と表現することが多いですが、国や文化によって色の数え方も違うんですよ。
虹を見るには
筆保先生:虹を探すときは、太陽を背にして、太陽と反対の方向を見てください。自分の正面を中心に、約42度の角度に虹の赤い部分が見えます。太陽が低い位置にあるときには、大きな虹が見えることもあります。
「虹は自分だけのもの」って知っていますか?
友だちと一緒に虹を見て、「きれいだね!」と感動を共有することはできますが、じつはそれぞれが違う虹を見ているんです。
虹は、太陽が低い位置にある朝や夕方に見つけやすくなります。太陽が低いほど、虹の大きな半円が見えやすくなるんです。逆に、太陽が高い位置にあると、虹は地平線の下に隠れてしまうため、地上からは見えにくくなります。
──ありがとうございました。見えている虹が隣の人と違うなんて……。今日は、気象現象の不思議さや奥深さを教えていただきました。
\\筆保弘徳先生が監修//

いろいろな虹の仲間
彩雲
環天頂アーク
環水平アーク



































































筆保 弘徳
横浜国立大学教育学部教授。台風科学技術研究センター長、気象予報士、防災士。講義・講演や書籍の執筆を通じて、気象学や台風についての知識を、大人から子どもまで幅広く教えている。おもな監修書・著書に、『気象の図鑑』(監修 技術評論社)、『こちら、横浜国大「そらの研究室」! 天気と気象の特別授業』(共著 三笠書房)、『台風についてわかっていることいないこと』(共著 ベレ出版)、『台風の正体』(共著 朝倉書店)など多数。
横浜国立大学教育学部教授。台風科学技術研究センター長、気象予報士、防災士。講義・講演や書籍の執筆を通じて、気象学や台風についての知識を、大人から子どもまで幅広く教えている。おもな監修書・著書に、『気象の図鑑』(監修 技術評論社)、『こちら、横浜国大「そらの研究室」! 天気と気象の特別授業』(共著 三笠書房)、『台風についてわかっていることいないこと』(共著 ベレ出版)、『台風の正体』(共著 朝倉書店)など多数。