じつは隣の人とは違う虹が見えている? 虹の不思議を専門家がわかりやすく解説

虹が7色に見えるわけもくわしく説明

写真:PIXTA
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「はじめてのずかん てんき」の監修者であり、横浜国立大学教育学部の教授である筆保弘徳(ふでやす ひろのり)先生に、子どもも大人も興味のある天気の現象について、お話をうかがうシリーズ。全3回の第2回は、虹について。
『講談社の動く図鑑MOVE はじめてのずかん てんき』

虹は、自分だけのものって知ってた?

空はどうして青いの?

──先生、虹について、教えてください! 虹はどうして7色なんですか?

筆保弘徳先生(以下筆保先生):虹の色を説明するには、まず「空はどうして青いか?」っていうところから説明しますね。

──たしかに空は青く見えますね!

筆保先生:空は青く、雲は白く見えますよね。でも空気も水蒸気も透明でしょう?

まず、ものがその色に見える理由は2つあります。1つ目は、太陽の光の反射と吸収です。太陽の光は白色に見えますが、光には波長というものがあり、それが色を決めています。波長の短いものは青、波長の長いものは赤というふうに。

では、白色はどうでしょうか?  じつは、白色に対応する特定の波長があるわけではありません。いろいろな波長の光、つまりさまざまな色の光が混ざり合うことで、白く見えるのです。つまり、太陽の光が白いということは、さまざまな色の光が含まれているということなんです。

そして、太陽の光が海に当たると、海の水は青色以外の光を吸収しやすく、青い光は比較的反射されます。その反射した青い光が私たちの目に届くことで、海は青く見えるのです。また、空の青い光が海面で反射することも、海が青く見える理由の一つです。
資料提供:筆保弘徳先生
筆保先生:2つ目は、光の「散乱」です。太陽の光が空気中の酸素や窒素などの分子によって、さまざまな方向に散らばる現象です。これを「レイリー散乱」と呼びます。赤い光よりも波長の短い青い光のほうが強く散乱されるため、空は青く見えるのです。

一方、雲は小さな水滴や氷の粒でできています。これらの粒は空気の分子よりも大きく、さまざまな色の光をほぼ同じように散乱させます。そのため、いろいろな色の光が混ざり合って、雲や霧は白く見えるのです。

──そうなんですね。では、虹はどうして1色じゃなく、色が分かれるんですか?

筆保先生:はい、虹ができるには、「屈折」と「反射」が関係しています。太陽の光が雨粒などの水滴の中に入ると、光の進む方向が変わります。これが「屈折」です。

光は色によって曲がり方が少しずつ違うため、水滴の中でさまざまな色に分かれます。そして、水滴の内側で反射し、外に出るときにもう一度屈折します。このとき、太陽と反対の方向から約42度の角度に赤い光が強く見え、ほかの色の光もそれぞれ決まった角度に見えるため、虹ができるのです。

じつは、虹の色はきっちり7色に分かれているわけではなく、連続的に変化しています。日本では7色と表現することが多いですが、国や文化によって色の数え方も違うんですよ。
イラスト:講談社 

虹を見るには

──どういうときに虹が見られますか?

筆保先生:虹を探すときは、太陽を背にして、太陽と反対の方向を見てください。自分の正面を中心に、約42度の角度に虹の赤い部分が見えます。太陽が低い位置にあるときには、大きな虹が見えることもあります。
イラスト/講談社 『講談社の動く図鑑MOVE はじめてのずかん てんき』より

「虹は自分だけのもの」って知っていますか?

筆保先生:じつは、虹は見る人によって少しずつ違うんです。虹は、自分の目に対して決まった角度にある水滴から届く光によって見えています。ですから、たとえ1メートル離れて隣にいる人でも、見ている虹をつくっている水滴は違うんです。つまり、虹は一人ひとりに見えている「自分だけの虹」なんですよ。

友だちと一緒に虹を見て、「きれいだね!」と感動を共有することはできますが、じつはそれぞれが違う虹を見ているんです。

虹は、太陽が低い位置にある朝や夕方に見つけやすくなります。太陽が低いほど、虹の大きな半円が見えやすくなるんです。逆に、太陽が高い位置にあると、虹は地平線の下に隠れてしまうため、地上からは見えにくくなります。

──ありがとうございました。見えている虹が隣の人と違うなんて……。今日は、気象現象の不思議さや奥深さを教えていただきました。

\\筆保弘徳先生が監修//

はじめてのずかん てんき

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瀧 靖之(監)  筆保 弘徳(監)

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いろいろな虹の仲間

 『講談社の動く図鑑MOVE はじめてのずかん てんき』や、図鑑に付属のDVDに収録されています。ぜひ見てみてくださいね!

彩雲

太陽の近くにある雲が虹色に染まって見える現象です。  『講談社の動く図鑑MOVE はじめてのずかん てんき』より 写真:PIXTA

環天頂アーク

太陽の上、高い空にできる、さかさまになった虹色の光です。   『講談社の動く図鑑MOVE はじめてのずかん てんき』より 写真:PIXTA

環水平アーク

太陽が空の高いところにあるとき、太陽の下の空の低いところに横に広がる虹色の光ができることがあります。  『講談社の動く図鑑MOVE はじめてのずかん てんき』より 写真:PIXTA
\\台風や雷など最近話題になる天気の現象がたくさん!//
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筆保 弘徳
ふでやす ひろのり

筆保 弘徳

Hironori Fudeyasu
横浜国立大学教育学部教授

横浜国立大学教育学部教授。台風科学技術研究センター長、気象予報士、防災士。講義・講演や書籍の執筆を通じて、気象学や台風についての知識を、大人から子どもまで幅広く教えている。おもな監修書・著書に、『気象の図鑑』(監修 技術評論社)、『こちら、横浜国大「そらの研究室」! 天気と気象の特別授業』(共著 三笠書房)、『台風についてわかっていることいないこと』(共著 ベレ出版)、『台風の正体』(共著 朝倉書店)など多数。

横浜国立大学教育学部教授。台風科学技術研究センター長、気象予報士、防災士。講義・講演や書籍の執筆を通じて、気象学や台風についての知識を、大人から子どもまで幅広く教えている。おもな監修書・著書に、『気象の図鑑』(監修 技術評論社)、『こちら、横浜国大「そらの研究室」! 天気と気象の特別授業』(共著 三笠書房)、『台風についてわかっていることいないこと』(共著 ベレ出版)、『台風の正体』(共著 朝倉書店)など多数。