世界で一番ヘンテコなアンモナイト「ニッポニテス」の形に隠された意外なヒミツ

【ちょっとマニアな古生物のふしぎ】古生物学者・相場大佑先生が見つけた古生物のふしぎ

古生物学者:相場 大佑

10月15日=化石の日の由来となった異常巻きアンモナイトとは?

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スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋、皆さんにとって秋は何の季節ですか?
僕にとって秋と言えば……それはもちろん「アンモナイト」です‼︎

というのも、実は毎年10月15日は「化石の日」になっていて、これは北海道で見つかった異常巻アンモナイト「ニッポニテス・ミラビリス」が新種発表された日(1904年10月15日)に因んでいるのです!!

ということで、今回は世界一ヘンテコとも言われる「ニッポニテス」を紹介したいと思います。
ニッポニテス・ミラビリス(三笠市立博物館所蔵標本)
ニッポニテス・ミラビリス(Nipponites mirabilis)は北海道などで見つかる白亜紀のアンモナイトで、学名は「驚くべき日本の石」という意味です。掃除機のホースがこんがらがったような、野球ボールの縫い目のような、なんとも言えないとても不思議な形をしていますね。

そのヘンテコさゆえ、ニッポニテスが最初に発表された時、海外では、生物の種とは見なさず、病気によって変形した奇形にすぎないと考える研究者もいたといいます。

しかし、最初の発見から25年後にロシアで2つめのニッポニテスが見つかり、1個体だけがたまたまヘンテコな形になったわけではないことが明らかになりました。その後も発見が続き、これまでに何百個体ものニッポニテスの化石が発掘され、種数としては4種が数えられています。

でも、病気でないとしたら、なぜニッポニテスはこんなにもヘンテコな巻き方をしているのでしょうか? 
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