日本に43種いるヘビ! ヘビが棲みつく場所がとても素晴らしい理由とは?

【ちょっとマニアな生きもののふしぎ】サイエンスライター・柴田佳秀先生が見つけた生きもののふしぎ

サイエンスライター:柴田 佳秀

人の近くにすみつくアオダイショウ

日本には43種のヘビがいて、その中でアオダイショウは最も人と出会う機会が多い種でしょう。なにしろ、主な生息地が緑の多い街や公園、その近くの山や川などの人里。東京都心の皇居のお濠でも姿を見ることがあります。だから、人と遭遇する機会が多いのです。また、分布域が北海道から九州までの広い範囲であるため、それも出会いが多くなる原因の1つでしょうね。
アオダイショウ
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ところでアオダイショウは、なんで人のそばにいるんでしょうか。それは獲物が人のそばにいる生きものだから。たとえばネズミが大好きなんですが、ネズミってよく家にいますよね。それを狙ってアオダイショウも現れるわけです。流石にイマドキはあまり聞かないですが、一昔前は、部屋の天井から床にアオダイショウが落ちてきて、家人がパニックになったという話も。

また、アオダイショウは鳥が大好物。特に巣の卵やヒナが狙われやすく、シジュウカラの巣箱に仕掛けたカメラでライブ中継していたら、アオダイショウが入ってきて、全部のヒナが食べられたなんて笑えない話もあります。

ヘビがいる環境は自然が豊かであるということ

アオダイショウ(顔のアップ)
出会うとちょっと怖いヘビですが、ヘビがいるということはそれだけ豊かな自然がそこにあるわけです。生きた獲物を襲って食べるのですから、獲物がいなければヘビは暮らしていけませんから。アオダイショウは、ネズミと小鳥を食べるので、それほど豊かな自然ではなくても見られますが、それでもやはり彼らが存在することは、それなりの自然があるわけです。

アオダイショウは、無毒で比較的おとなしいヘビなので、出会っても向こうから襲いかかってくることはありません。ちょっと気持ち悪いかもしれませんが、ヘビがいるくらいの良いところなんだなと思って見てくれれば幸いです。
写真提供/柴田佳秀

ヘビのなかまが掲載されているMOVE

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しばた よしひで

柴田 佳秀

Shibata Yoshihide
サイエンスライター

元ディレクターでNHK生きもの地球紀行などを制作。科学体験教室を幼稚園で実施中。著作にカラスの常識、講談社の図鑑MOVEシリーズの執筆など。BIRDER編集委員。都市鳥研究会幹事。科学技術ジャーナリスト会議会員。暦生活で連載中。MOVE「鳥」「危険生物 新訂版」「生きもののふしぎ 新訂版」等の執筆者。

元ディレクターでNHK生きもの地球紀行などを制作。科学体験教室を幼稚園で実施中。著作にカラスの常識、講談社の図鑑MOVEシリーズの執筆など。BIRDER編集委員。都市鳥研究会幹事。科学技術ジャーナリスト会議会員。暦生活で連載中。MOVE「鳥」「危険生物 新訂版」「生きもののふしぎ 新訂版」等の執筆者。