まるでサバンナの野生動物のよう!動物学者もおすすめの動物園【のんほいパーク】を訪問

〈新連載〉ドリトル柴田の「動物園に行ってみた!」vol.2

科学ジャーナリスト:柴田 佳秀

広々とした放飼場のある「のんほいパーク」のシマウマたち
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行ってみたかった「のんほいパーク」

こんにちは。科学ジャーナリストのドリトル柴田です。私は日本各地の動物園を訪ね歩く旅を続けています。

「のんほいパークって、いいんですよね~。広々としていて」

以前、『動く図鑑MOVE動物』の監修者である京都大学の本郷峻先生から、このお話を聞いてから、ずっと気になっていたのが愛知県豊橋市にある「のんほいパーク(豊橋総合動植物公園)」。

なんでも、動物たちが広大な敷地でのびのびと暮らしていて、「これは見ておかないと損」とのこと。そう聞いたら、じっとなんかしていられません。いてもたってもいられず、東京駅から早朝の新幹線に飛び乗って、一路、のんほいパークを目指したのでした。

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「のんほい」ってなに?

新幹線の旅は順調で、予定通りに開園9時少し前に到着。動物園を楽しむ最大のコツである「開園時間に入る」はクリアです。そして、もぐもぐタイムなどの今日のイベントは忘れずにチェックします。
のんほいパーク(豊橋総合動植物公園)東門。今回も一番乗りです。
ところで「のんほいパーク」という名前、ちょっと不思議に感じませんか? 実はこれ、豊橋総合動植物公園の愛称なんです。「のんほい」とは、この動物園がある東三河地方の方言で、「ねえねえ」「ちょっとちょっと」といった呼びかけの意味だそうです。まるで誰かに話しかけるような、親しみのある言葉ですよね。そんな名前からも、この動物園の楽しくてフレンドリーな雰囲気が伝わってくる気がします。

広大なサバンナがそこにあった!

広い放飼場。キリンが小さくみえます。
見てください、この広々とした放飼場! 野球ができそうなくらいの広さがあって、その中をキリンやエランドがのんびり歩き、シマウマが群れで駆け回っています。実は私、ケニアでシマウマの群れを見たことがあるのですが、そのときの光景とほとんど変わらないことに驚き、そして感動しました。
走るエランド。ストレスフリーで元気です。
ただ、これだけ広いと動物との距離ができてしまうのが難点です。そんなときにおすすめなのが、そう動物園の最大のコツ「開園時間に入ること」。朝の時間帯にはエサが柵近くに置いてあって、動物がそのエサを食べに来る。つまり、自然と人の近くに来てくれるように動物園側が配慮してくれているんです。

今回も、朝はシマウマを間近でじっくりと観察することができました。でも、夕方にもう一度見に行ってみたら、放飼場の奥のほうに行ってしまっていて、あまり姿が見えませんでした。やはり動物園は朝が勝負ですね!
サバンナシマウマの亜種グラントシマウマ。すぐ近くで見ることができました。

日本有数の広さのゾウの放飼場

続いて向かったのはアジアゾウエリア。日本有数の広さを誇る放飼場が目玉だそうです。
そして、実際にこの目で見てびっくり仰天!
アジアゾウの大きさから、広さがおわかりになるでしょう。
放飼場の広さはなんと約6000平方メートル。ちょっとした学校の校庭くらいの広さがあります。これまで訪れた動物園の中でも、ゾウ用としては間違いなくダントツの広さ! ここでは、なんとアジアゾウが走ることだってできるんです。ゾウが本気で走る姿なんて、なかなか見られるものじゃありませんよ。
急ぎ足で歩くアジアゾウ
そして、のんほいパークのゾウ飼育でもうひとつ特筆すべきなのが「群れ」での飼育。アジアゾウは、本来メスとその子どもたちで群れを作って暮らす動物。ここではその自然な社会構造に合わせて、複数頭を一緒に飼育しているんです。広々とした環境で、群れとして生活するゾウたちの姿は、見ていてとても生き生きとしていました。
コミュニケーションをとるアジアゾウ。自然の中で見るような光景がここでは観察できます。
初めて訪れたのんほいパーク。広大な敷地でのびのびと暮らす動物たちの姿にすっかり魅了されました。しかし、この動物園の素晴らしさは実はこれだけではなかったのです。
のんほいパークの一番の見どころは?

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