第2回は本商品を撮影したカメラマンの水野プロダクション・柴田嘉寛氏に直撃取材を行いました。引き続きバンダイ・ブランドトイ企画部の寺野 彰氏を交え、「DXドンオニタイジン」をさらに深く知ることができるインタビューをお届けします!
玩具やキャラクターのスーツを撮る仕事
まずは水野プロダクションさんについて教えていただけますでしょうか
水野プロダクションは、パッケージや印刷物のデザイン会社です。初代社長が、初代『仮面ライダー』の「光る!回る!変身ベルト」のパッケージをデザインしていたことから、もう50年くらいバンダイさんとお付き合いをさせていただいています。スーパー戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズの番組ロゴもやらせていただいています。会社には、デザイナーやイラストレーター、カメラマンが在籍しています。
以前は講談社の幼児誌のデザインもしていただいていましたよね
そうですね。うちの倉庫に50年くらい前の貴重な本がいっぱいありました(笑)
カメラマンさんのお仕事は、どういったものなのでしょうか
パッケージ制作などで使用する商品写真の撮影ですね。また、キャラクターのスーツの写真なども、撮影会などで撮らせていただいています。
※撮影会=新キャラクターや合体ロボなどの登場時に行われるメディア向けの写真撮影会。テレビマガジンもカメラマンを派遣して参加している。
柴田さんは普段、どんな商品の撮影をされているのでしょうか
普段は、主に大人向けの商品の撮影を担当しています。「超合金魂」がメインで、もう十数年やらせてもらっています。他には「METAL BUILD」、「ROBOT魂」、「METALROBOT魂」など、ロボ系が多い感じですね。他には「S.H.Figuarts 真骨彫製法」なども担当しています。スーパー戦隊では、「DX METAL APPEND ゼンカイオージュラガオーン」を担当しました。
バンダイ 寺野さんに質問です。なぜ、今回普段はハイターゲットトイの撮影をしていらっしゃる柴田さんにDXドンオニタイジンの撮影を依頼されたのですか?
戦隊ロボって伝統が長すぎて、割と「こう撮るものだ」っていうのが結構決まっています。少し下からあおって撮るか、正面から撮るかの2パターンが多いですよね。それは、戦隊ロボのズドーンと立つ存在感のあるデザインをひっくるめて、その撮り方がベストだという結論から来ていると思うのですが、前回のインタビューでお話しさせていただいた通り、今回の「DXドンオニタイジン」は作り方、考え方をガラっと変えました。
そこで、商品の画像も新しい撮り方をしてもらいたいと考え、僕がコレクターズ事業部時代にずっと一緒に仕事をさせていただいた柴田さんにお願いしました。初めてDXドンオニタイジンのサンプルを持って行ったときも、柴田さんが「ああ、なるほどね」って。
それと、昔の超合金のCMとか写真って、大人びているというか、本当に「子ども向けか?」っていう感じだったじゃないですか。貴金属でも取り扱ってそうな荘厳な感じで撮っている。やっぱり、子どもに対して憧れを見せるみたいなポイントは絶対あったと思っていて。「畏怖する」というのとはちょっと違うかもしれないですけど、ああいった感じの写真の撮り方って当時から子どもに響いていたように思います。なので、あえてハイターゲットをやってもらっている柴田さんに、そういう感じの写真を撮ってほしいとお願いしました。
柴田
デザイン上も情報量が多かったので、その情報量を捉えるようなライティングを意識しました。今までの戦隊ロボとは比べものにならないぐらい、見応えのある場所がいっぱいあったので、そこはちゃんと目立たせてあげたいなっていうのは意識しましたね。