あの日、あの時、胸躍らせて目撃したのは何だったのか? 今回取り上げるのは「2月27日」(1966年)。
夜道に迷った万城目たちは、洋館に助けを求める。しかし、その洋館は蜘蛛の巣がはりめぐらされており、誰もいなかった。仕方なく洋館に無断で上がり込む万城目たち。しかし、彼らの前に巨大な蜘蛛が現れた。
洋館に逃げ込む万城目たち
なんとか救出された一平たちであったが、夜中にずぶぬれとなってしまったふたりは寒さに震えていた。すると、森のなかに明かりが見える。万城目たちはその明かりに近づくと、そこには一軒の洋館が建っていた。洋館には誰もおらず、いたるところに蜘蛛の巣が張っている。万城目たちは沼に落ちたふたりを休ませるために、館を借りることに。
しかし、人がいないのに明かりが見えていたのは謎だった。そこで万城目は、クモ男爵の噂を思い出す。今から約90年前、蜘蛛をこよなく愛する「クモ男爵」と呼ばれる男爵がおり、世界中からさまざまな蜘蛛を集めて、屋敷で暮らしていた。しかしある日、男爵の一人娘が毒蜘蛛・タランチュラに刺されてしまう。さらに、その毒で暴れまわり、底なし沼に落ちてしまった。男爵は悲しむが、娘はタランチュラとなって甦り、ふたりは屋敷でひっそりと暮らしたという。